十一月五日(土)戊子(舊十月三日 曇りのち晴

 

今日の讀書・・今日も神保町へ出かけました。青空古本市は明日までだからです。ついでに、東京古書會館を訪ねたところ、そこでけつこうな掘り出し物がありました。 

また、路上のニ冊百円のワゴンの中に、伊藤桂一の文庫本を見つけました。先日お亡くなりになりましたが、戰爭への批判をこめた戰記物を忘れるわけにいきません。それで、敬意を評して讀んでみようと思ひました。 

 

午後、まだ明るいうちに歸宅したので、讀書に精を入れました。その、『日本紀略』 なんですが、天暦四年(九五〇年)から天暦十年(九五六年)までが缺けてゐるのです。それで、急遽、忠平の次男藤原師輔の 『九暦』 と 『村上天皇御記』 を出してきて、その缺けた部分を讀みました。といつても兩方とも和製漢文で、どうにか讀みとおすことができました。まあ、内容は飛び飛びの記録でしたから、他の記録と比較できるところもあれば、まつたく何を書いてゐるのか分からないところも多くありました。 

師輔さん、父上の忠平を、日記では「殿下」と記してゐました。 

 

一昨日から讀みはじめた黒川さんの、『螻蛄』 を持ち歩いて讀み進みました。 

 

さらに、先日から朝晩、『蜻蛉日記 下』 を讀みはじめました。これは、ふとんの中で、寢るときと起きる前のほんのひとときの、まあ、頭の體操といふか、くづし字のお勉強を兼ねてをります。それでも、塵が積もると、けつこういい勉強になるのであります。

 

今日の寫眞・・今日の掘り出し物の和本と寫本と影印本。それと伊藤桂一著『病みたる秘劍』。