2024年2月(如月)1日(木)舊12月22日(乙未) 晴

晝食をはさんで朝から夕方まで猫たちとすごす。讀書はかどらず。 

 

2月2日(金) 曇天

高円寺と神田の古書會館をはしご散歩。高円寺と神田をくらべると、高円寺の古本市のはうがだんぜん面白い。といふか目ぼしい本が鉱脈のやうに目につくのだ。

晝食は“ぎょうざの滿州”でタンメンとギョウザをいただいた。

近ごろどうも息がきれてしかたない。體重がふえたためだらうか。急いだり階段をあがつたりするとしばらくは息をととのへるために立ち止まらなくてはならない。

今日の収穫・・『湛山日記-昭和二〇ー二二年』 『夢鏡迷路』、以下雑誌 『旅-創刊號』 『本の本-特集・永井荷風』 『別冊新評-深沢七郎の世界』 『國文學-近代文学東京地図』、それと1967年発行の紀田順一郎編 『古書店地図帖ー東京-関東-甲信越』(圖書新聞社)、以下文庫 『温泉めぐり』 『晩春の旅・山の宿』 『もぐら随筆』『文壇放浪』 『片乞い紀行』 『ぼくの東京全集』 『つげ義春旅日記』

今日の外出・・4300歩 

 

2月3日(土) 晴

終日讀書。ダンカン・カイル 『砂塵の舞う土地』(創元ノヴェルズ) 讀了。やはり冒険小説が面白い。 

 

2月4日(日) 雨のちやむ

終日讀書。田中光二 『大いなる逃亡』(徳間文庫) 一氣に讀了。つづいても冒険小説といきたいが、本人は息切れがしてならない! 

 

2月5日(月) 晝から雪

ひるま寢ないようにしてゐるためか、夜寢られるやうになり朝起きもらく。朝食後から夕方まで猫たちとすごし、讀書。選んだ末 『氷雪のサバイバル戦』 を讀みはじめる。 

 

2月6日(火) 明け方まで雪のち曇天

終日讀書。猫たちとすごしてゐるためはかどらず。 

 

2月7日(水) 晴

終日猫たちとすごす。讀書、『氷雪のサバイバル戦』 はかどらず。 

 

2月8日(木) 晴

晝から散歩にでる。堀切菖蒲園驛を中心にふだん歩いたことのない路地裏を選び、ここかしこにうまさうなそば屋ややき肉屋を發見してはこれからの散歩の參考にした。晝食はぬかすつもりでゐたが、つい“たかの”に入つて餃子だけいただいてしまつた。ここの餃子は300圓だけれどうまい。

歸宅後は猫たちとすごす。

デイヴィッド・ダン 『氷雪のサバイバル戦』(ハヤカワ文庫) 讀了。話がしつこくて面白く感じなかつた。

今日の外出・・4100歩 

 

2月9日(金) 曇り日中晴

日本橋の齒科に通院。その後東西線で早稲田驛下車、早大南門通りにある“尾張屋”でミニかつ丼を食べ、さらに東西線で吉祥寺に行き、古本屋の“よみた屋”を訪ねた。何年ぶりだらうか、すでになくなつてゐたとおもつてゐたところが盛況で、十分探書を樂しんだ。歸り際、『週刊-絵巻で楽しむ源氏物語』(週刊朝日百科)の分册「匂兵部卿」以下15册(一册100圓)がそろつてゐたのを發見し惱んだが買つてしまつた。

今日の収穫・・『週刊-絵巻で楽しむ源氏物語』(四十二帖~五十三帖、15冊) 『王法と仏法-中世史の構図』 『山岳党奇談-鞍馬天狗』 『ひとり暮らし』 『目白三平駅弁物語』 『駅前旅館に泊まるローカル線の旅』

今日の外出・・5750歩 

 

2月10日(土) 晴

日中ベランダにふとんを干し、終日猫たちとともに讀書。 

 

2月11日(日) 晴

高円寺の古書會館まで散歩。今回も豐漁で「文庫本のみ」といふ箍(たが)もはずれがち。晝は驛前の“吉野家”で我が人生二度めの牛丼を食べてしまつたが、けつこううまかつた。

午後は荻窪の二軒の古書店を訪ね、こちらも感触がよかつた。

カーター・ブラウン/田中小実昌譯 『死体置場は花ざかり』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 讀了。

今日の収穫・・『中世内乱期の群像』 以下二〇册は宅配で送る。以下中央書籍と古書ワルツにて 『福音書=四つの物語』 『史記を語る』 『仏教の思想7無の探求〈中国禪〉』 『低空飛行』 『けい肋集/半生記』 『街角の煙草屋までの旅』 『活字学級』 『酒と家庭は読書の敵だ。』。中でも吉行淳之介の 『街角の煙草屋までの旅』 は「家から一歩外に出れば旅だ、と考えるヘンリー・ミラーに共感し、自分の住む都会を歩きまわる中ですばらしい旅や風景を発見する」といふのだからじつに共感してしまふ。

今日の外出・・4100歩 

 

2月12日(月) 晴

昨日高円寺の古本屋“中央書籍”で求めた加藤隆 『福音書=四つの物語』(講談社選書メチエ) を讀みはじめたら面白く、ひさびさに聖書の世界にひきこまれた。

午後、純子さん來てくださつて整體。氣持ちよかつた。

昨日高円寺古書會館から送つた本がとどいた。今回は特に「こんな本がでてゐたんだ」感がつよいものが手に入つた。例へば野坂昭如の 『死刑長寿』 だとか同じ著者の 『我輩は猫が好き』 などである。

猫といへばわが家の猫たちがかはいい。所定の位置に座るとたちまちまとはりついてはなれようとしない。なでさすれば氣持ちいいのだらう、まつたく無防備になつてもたれかかるのでろくに本も讀めなくなる。 

 

2月13日(火) 晴

今日はかかりつけの慈惠大學病院と古本屋街へ通院散歩の旅。本日の血液・心電圖檢査および診察の結果は從來とかはらなかつたが、先日のエコー檢査がはかばかしくなく、確實に心臟が弱つてきてゐるといふことのやうだ。これは體調からして豫想どおりだつたが、それにしてはBNP値がわるくないのが不思議だ。まあやすみやすみ生きよといふことなのだらう。それにしても散歩のさい街からベンチがなくなつたのはつらい。と、ふんがいしつつ神保町を樂しんでから歸路についた。

晝は白山通りの“そば処-桂庵”でミニかつ丼セットをいただいたが、そばが食べきれずにくやしかつた。

今日の収穫・・『90分でわかるキルケゴール』 『捨ててこそ生きる-一遍遊行上人』 『連鎖』、以下文庫 『榎本武揚シベリア日記』 『面白半分日記』 『我輩は猫の友だちである』

今日の外出・・6680歩 

 

2月14日(水) 晴

終日在宅讀書。昨日神保町で求めた黒川博行 『連鎖』 が面白くてやめられず。ただ570ページもあるのでやつとなかば。 

 

2月15日(木) 晴

終日讀書。黒川博行 『連鎖』(中央公論新社) 讀了、つづいて吉行淳之介 『街角の煙草屋までの旅』(講談社文庫) も讀了。 

 

2月16日(金) 晴

終日猫たちとともに讀書。黒川博行 『落英(上)』(幻冬舎文庫) を讀みはじめる。刑事たちの關西辯のやりとりが面白い。 

 

2月17日(土) 晴

古本散歩。綾瀬驛から南柏驛驛前の古本市會場で小一時間探書し、ちやうどひるどきになつたので柏驛の“玄品”を訪ねたところが滿席で、しかたなく“天外天”で氣になつてゐた担々麺ならぬ酢豚定食を注文したらこれが美味しくてびつくり。ただ豚肉が多くて食べきれなかつたのがまいどのことだがくやしい。

ついで太平書林さんに顔を出し、南口のブックオフにも寄つて、さらに船橋經由で京成八幡のぢき閉店となる山本書店を訪ねた。まあいつものコースで、仕上げは堀切菖蒲園驛前のもつ燒屋で煮込みをいただいて歸路についた。腰の痛みもだいぶうすらぎ歩行がらくになつた。

今日収穫の「こんな本が出てゐたのか!」感のする本は、中村博男 『松浦武四郎と江戸の百名山』(平凡社新書) だらうか。武四郎晩年の大台ヶ原山の登山紀行の複製本(變體假名)を手にいれてあるので、參考になることこのうへない。できれば松浦武四郎が晩年すごした「一畳敷の書斎」を訪ねてみたい。ICUの構内に移築されてゐるやうだ。

夜、黒川博行 『花英(上)』(幻冬舎文庫) 讀了。下にはいる。主人公の刑事のひとりが 『連鎖』 と同人なのがまた面白いのだ。

今日の外出・・5750歩 

 

2月18日(日) 晴

終日讀書。黒川博行 『落英(下)』(幻冬舎文庫) 讀了。つづいて同じ著者の 『桃源』 を讀みはじめる。面白くてくせになる。 

 

2月19日(月) 小雨

終日讀書。黒川博行 『桃源』 を讀みつづける。 

 

2月20日(火) 晴

終日讀書。黒川博行 『桃源』(集英社文庫) を讀みつづけ徹夜かなとおもふころ讀了。

午後、純子さん來られて整體、エネルギー治療といふのらしい。氣持ちよかつたけれど要所要所痛かつた。 

 

2月21日(水) 小雨

終日讀書。黒川博行 『桃源』 は 『落英』、『連鎖』 とともに主人公の刑事のひとりが同じでシリーズといつてもいい内容だつた。再讀になるが 「堀内・伊達シリーズ」 を讀みたくなつた。ところが晝間のテレビでメル・ギブソンの 『ペイバック』 を見てしまひ、讀み殘しの惡党パーカーを讀みはじめることにした。 

 

2月22日(木) 雨のちやむ

明日の我が誕生日が天皇誕生日(休日)とかさなつて混むといけないので、“玄品”上野店を訪ねてふぐのコースをいただいた。まあ、祝ふといふよりもどうにか77歳までたどりついたごくろうさんといふ氣持ちである。左腕はしびれるし息切れはまいどのこと。ただ母よりも先に逝かないでと妻がいふ。

歸宅後猫たちとすごす。

札幌の弘南堂書店から 『松浦武四郎大台紀行集』(松浦武四郎記念館) がとどいた。が、飜刻して手直した刊本のためか複製の稿本とは異なつてゐるのが殘念。

今日の外出・・3420歩

  

2月23日(金) 雨

誕生日をむかへ77歳となつた。喜壽といふらしいがよろこんでいいのかどうか。これからは猫たちをおともとして余碌の人生とおもつてすごさなければならんな。

終日讀書。黒川博行 『悪果』(角川文庫) 讀了。惡党パーカーよりも面白い。 

 

2月24日(土) 晴

古本市めぐり。高円寺と神田の古書會館をはしご。今回も高円寺のはうが面白かつた。

歸路久しぶりに銀座天龍スカイツリー店の餃子をいただいた。

黒川博行 『悪果』 につづいて 『繚乱』 を讀む。

今日の外出・・5750歩  

 

2月25日(日) 氷雨

終日讀書。黒川博行 『繚乱』(角川文庫) 再讀だが引き込まれて一氣に讀了。つづいてやはり再讀の第三彈 『果鋭』(幻冬舎文庫) に入る。面白くてやみつきになる。 

 

2月26日(月) 日中晴

終日讀書。黒川博行 『果鋭』 讀みすすむ。 

 

2月27日(火) 晴

終日讀書。黒川博行 『熔果』 讀みすすむ。

 

 

2月28日(水) 晴

外食散歩。晝前、柏に直行し、先日たべそこねた“玄品”のとらふぐランチコース〈正午膳〉をいただいた。食べ過ぎて歩くのがつらかつたけれど、歸路、明日まで開催の南柏驛前古本市によつて歸宅。すぐ横になつた。

黒川博行 『熔果』(新潮社) 讀了。「堀内・伊達シリーズ」既刊分4册再讀終り。

今日の外出・・3190歩

 

 

2月29日(木) 曇り

終日讀書。加藤隆 『福音書=四つの物語』(講談社選書メチエ) 讀了。忘れてゐた福音書の世界が整理された。ヨハネ福音書が難解なわけだ!