十二月六日(水)丁卯(舊十月十九日 晴

 

今日の讀書・・今日は、外へ出なかつたのでわかりませんが、書斎には日光が充滿して暖かく、子猫たちと一緒に日向ぼこ。で、また一日を無爲に終はらせてはなりませんので、『源氏物語』 を讀みはじめました。 

〈帚木〉は講義のはうで繼讀中ですが、「玉蔓系」(十六帖)のうちの一帖です。それは挿入的短編ですから、講義に合はせて讀んでいけばいいので、「紫上系」(十七帖)を讀み通す計畫のぼくは、〈桐壷〉につづいて、すでに、〈若紫〉、〈紅葉賀〉、〈花宴〉、そして〈葵〉まで進んでゐます。それで、つづく〈賢木〉を讀みはじめたのであります。 

「靑表紙本」は、册子によつてくづし字の文字使ひがかなり異なり、〈桐壷〉が最も丁寧で分かりやすかつたのですが、〈帚木〉なども、かなりクセがあつて讀みにくいのです。さあて、〈賢木〉はどうでせうか。 

御息所が、娘の齋宮とともに伊勢に下向するにあたつて、源氏との關係をどうにかしたいとひと悶着ある出だしです。 

註釋書は、いつものやうに、小學館の日本古典文學全集 と 新潮社の新潮日本古典集成です。 

 

それと、藤沢周平の 『時雨のあと』 を讀み終へました。短編集ですから、日を置いて讀みついできましたが、今日讀んだ、「果し合い」と「鱗雲」がよかつた。とくに、「果し合い」を讀んでゐて、ぼくは胸があつくなり涙が出てしまひました。 

 

今日の寫眞・・道路際で遊ぶ、亡きコツキン父さんの次男のブンゴ君。と、ベランダから妻の部屋をのぞく、長女のモモちやん。