八月廿日(土)甲戌(舊七月十八日 激しい雨降つたりやんだり、一時日差し

 

入院中の「ひげ日記」を書き終り、現在にもどつて、今日の日記を書きはじめました。 

 

こんどの心不全は、ぼくはペースメーカーが原因か引き金になつたのではないかと思ふ。鹽分のとりすぎで水がたまつたといふのは、現象を見ればさうだけれども、突然に心不全だなんて、それも鹽分のとりすぎだなんて信じられません。 

今朝の體重は60.7キロ。朝食はいつものやうにパンで、しかもサンドイッチでした。コーヒーとともに美味しくいただきました。 

でも、午前中はたくさんの尿が出て、急に立つとふらふらするので氣をつけました。さういへば、ラッシックスをのんで、尿をたくさん出すと血壓が下がると言はれました。 

その後、氣分が回復し、焼きそばのお晝前にも、夕食の前にも、空腹をおぼえて待ちきれませんでした。夕食はほんとうに美味しくて、病院の食事はなんだつたのだらう、食欲をなくすことを目的としたエサではなかつたかとぼくは思ひました。 

そこで、ぼくは、もう入院はしなですむやうな生活をしようと決心しました。 

 

今日は、ときどき子猫とぢやれあひながらも、大半はベッドに横になつて本を讀んで過ごしました。それで、耳袋シリーズ第十五彈 『湯島金魚殺人事件』 を讀み終へ、つづけて同シリーズ第十七彈を讀みはじめました。 

また、讀書計畫として、著作年代順に讀んでゐる王朝文學の、『かげろう日記』 を讀む準備に入りました。