八月十二日(金)丙寅(舊七月十日 晴、蒸し暑い 

 

慈恵大學病院に再入院、第一日目(以下、退院する八月十九日まで、携帶電話メールで書いて自宅パソコンに送つたままに、仮名づかひはそのまま、漢字は正字に變換せず)。 

 

明け方、息苦しくて目が覚めました! 重苦しいといふか、息をするのに腹の上にある重りを押し上げるやうに力を入れないと息ができないのです。横隔膜の萎縮かと思ひました。 

そこで、横になつたまま左右の腕をなるべく水平に引き上げ、息を、横隔膜が上下に動くやうに、意識して深呼吸を繰り返したのです。要するに複式呼吸です。 

そうしたら、横隔膜がやはらかくなつたのでせうか、息がだいぶ楽になりました。 

 

午前中、昨日までに仕上げた入院中の日記をHP「ひげ日記」に写すことができました。 

昼食は、勝美と増屋さんのカレーうどん。母は、佐久まで帰る勝美の車で、竹の塚までドライブしたいと乗つていきました。 

 

午後は、書齋で横になつて読書。すると、どうしたわけか、また息苦しさが増してきて、このままでは今晩寝られないと思ふとともに、明日整形外科外来に通院するまで待てないと思つたので、思ひきつて慈恵医大病院緊急外来に電話しました。 

わけを話しますと、すぐに来院するやうにとの指示があつたので、妻に理由を告げ、簡単な準備をして、一緒に駅前まで歩いてタクシーを拾ひ、西新橋の慈恵医大病院まで直行。約四十分ほど、ちやうど6千円かかりました。 

緊急外来には5時半到着。すぐに診てくださいました。2時間あまりにわたつて、血液だの、心電図だの、エコーだの、レントゲンなどの検査を受けた結果、「心不全」と診断されて、即刻入院。しかも8日に退院したばかりの同じ病棟の同じ病室に再び入院といふことになりました! 

 

苦しさの原因は肺に水が溜まつたためで、立てば水は下にさがりますが、橫になると肺の中の水が胸を圧迫して苦しくなるのだと言はれました。それで、水を出すために、利尿剤を飲み、尿道に尿管を挿入されました。また、鼻からは酸素の吸入。まるで重病人です! 

ベッドごと病室に連れて行かれ、先日お別れしたばかりの河野看護婦さんが再びお世話くださいました。 

ちなみに、この夕方から夜中までに出た尿の量は、二五〇〇CCでした。 

妻にはまいど心配と苦労をかけてまことにすまなく思ひます。