四月十三日(日)甲寅(旧三月十四日) 晴れ、乾燥

今日は日中眠くて仕方ありませんでした。手術したといふのに、何やら動悸はおさまらないし、本を読むにもおつくうだし、頭の中は靄(もや)がたちこめてゐるやうなんです。結局頭が動き出したのは夕方になつてからでした。

前回の手術のあとでも感じたことですけれど、本当に治療されたのかといふ疑問を抑へることができません。それほどに、良くなつたといふ解放感がないんですよね。

そもそも、電子辞書で、「家庭医学大全科」の《心房細動》といふ項目を開いて調べて見ると、あまりにも詳細で、本人のぼくにさへ理解できません。が、要するに、《心房細動》とは、心臓内の筋肉が自分勝手な動き(鼓動)をし始め、収拾がつかない状態に陥るといふことらしいんです。それを、モグラたたきではありませんが、一つひとつ退治したといふのが今現在のぼくの状態なんですね。治療といつても病巣を取り除いただけなんです。

つまり、ここからが大事なんですけれど、指揮者を失つたやうな心臓の動きが、ひとつの統一体として、落ち着いた機能を取り戻してくれるのかどうか。ぼくの、これからしばらくのリハビリといふか、機能回復訓練はこのことにつきるのではないかと思ふのです。さういへば、前回も、これほど意識はしませんでしたが、心臓が落ち着きどころを得てくれるのを待つしかなかつたやうな気がします。

 

ところで、入院した日に、看護婦さんに、パソコンを使ひたいけれど、ネットにつなげるところがありますでせうか、とお聞きしました。すると、「ありません。」とのそつけない返事でした。まあ、ワード版「ひげ日記」を書いておけば、帰宅後ホームページに掲載できると思ひましたから、気にはしませんでした。ところが、あとで、隣のベッドの方から、スマホを利用すれば、ネットにつなげられますよとのお申し出があつたのであります。

でも、半信半疑。「どうしたらできるのか?」と思ひました。要するに、理由はわからないのですが、スマホが中継場となつて、近くパソコンのネットが使へるやうになるんださうです。もちろんその方がスマホを起動してくれればなんですが、夕食後のひととき、ホームページ「ひげ日記」を開くことができて、一日遅れでしたが、実況さながらのご報告をお送りすることができたといふ次第です。

 

尿が出ました出ました。昨日は、十一回、合計、一三三〇CCでした。体重は六三・八キロ。今日は、(十四日の明け方までを含めますが)、十五回、合計、二一五〇CCでした。体重は六二・六キロと、一キロも減量です。たしかにからだがずつと軽くなりました。体重を気にする方がをられますが、尿の量を要因に入れてゐる方がどれだけをられるでせうか。一考有りですね。

 

書き忘れるところでしたが、明日退院の予定となりました。定例の外来通院が十六日なので、その日までゐさせて欲しいと申しあげたところ、軽くいなされたことは以前にもご報告いたしましたね。まあ、病院つて、嫌いなところぢやないんです。はい。それにしても、四泊五日ですものね、ただ苦しんで過ぎてしまひました。

 

今日の写真:「測尿チェック表」。またぼくのにがてな青魚、「幽庵焼魚」。素敵な看護婦さんの後ろ姿。ここにも素晴らしい文字が! フロア「ご案内」表示。夜の東京タワー。