以下、つづいてEメールよりコピー
2022年12月1日(木)の日記
明日退院となつた。が、腰の痛みはつづいてゐる。コルセットが出來てきたが、これさへしてゐればいいのか、痛みの原因がよくわからない!
まあ、一度歸宅したいので、猫たちと會ひ、水回りの工事の進み具合ひも見てみたいし、少しは口にあふものを食べたい!
今回の病室は901号室、その南側で、左下には中川、正面には京成電車が走り、その遠く環七通り沿ひには弓道場のあるスポーツセンターも見える。ただ、窓際に移動してから曇天つづきで太陽の光がとどかない。氣分と同樣鬱陶しい日々だつた。
午前10時すぎ退院。差額ベッド代がかかつたくらゐで、コルセット代金は七割ほど戻ってくるといふ。肝心の病名が 「第一腰椎圧迫骨折」 であることを診斷書を見てはじめてわかつた。整形外科醫は結局一度もたずねて説明をしてくれなかつた!
帰路、銚子丸で壽司を食ひ、區役所に寄って書類を提出。
わが家に帰ってみると、モモタもココもグレーもしばらく敬遠してゐたが、やがてひざにのり、いつもの可愛らしい姿態をみせてくれた。
さて、改装工事中の水回りは目覺ましいものがあつて、風呂とシャワーにはすぐに入れるやうになつてゐた。やつと半ばといつたところだらうか!
やはり自分のベッドがいい。痛みが心もち薄れてきたやうなので、一層氣をつけて過ごしたい。
永井荷風著 『深川の唄・歡樂 他狐一篇』(新潮文庫 舊字舊假名) 讀了。
12月3日(土)の日記
昨日はコルセットをつけて歸ることができた。氣にはなるが痛くはなかつた。ただ装着するまでが痛い。だから夜寢るまでのあひだ一日中着けてゐた。
便が出にくいけれど食事も三度食べることができた。ベッドは快適だけど、パソコンの前に座ることができず、ひげ日記が書けないのがつらい。
夕食後、改装なつた風呂場にはじめて入り、妻の助けを得てシャワーを浴び、頭も洗つた。きれいで快適で感激した。
中野翠の 『ムテッポー文学館』 が面白い。
12月4日(日)の日記
動けば痛み、食事をとれば吐いてしまひ、一日中寢てゐた。まるで入院前と同じだ。
12月5日(月)の日記
朝はかつたら、体重が53キロだつた! 記憶するかぎり最低値!
朝食はサンドイツチと果物をココアで食べることができた。そのさい、座りかたさへよければ腰が痛まないことを知つた。今日は吐かないですみさうだ。
昼はとろろうどん。夕食はコルセットをつけ、臺所まで下りてかつをの刺身。みな量は少ないけれど食べることができた。
問題は、明日、新橋の慈恵医大に通院できるだらうか?
三月には歯を三本抜いて一泊の入院、四月には岩畳で轉倒し、九月には胆石に苦しんで入退院を繰り返し、そして今度の腰痛である。災難つづきだつたが、髪の毛を切つて坊主頭になつておいてどれだけ助かつたことか!
讀書は中野翠さんのと 『江戸の老人力』 をよみすすむ。
12月6日(火)の日記
今日も入院生活がつづいてゐるやうな一日であつた。ベッドに寢たきり、食事のときにわきの椅子に腰かけて、妻が運んでくれた食事を、今朝はお粥、晝はおはぎをわづかに食べただけである。しかし、便が大量に出ると、胃がむかむかしてまたわずかに液體を吐いてしまつた。新橋の慈恵医大には電話して、通院を延期してもらつた。
夕方、母が十日間のショートステイから戻つてきた。臺所とトイレのかはりやうにびつくりしたやうだがすぐになれて、困つたことはなかつたやうだ。ベッドにゐたので母にはまだ會つてゐない。
12月7日(水)の日記
朝、腰バンドを締めて起き、洗面をすますことができた。だいぶよくなつてきたのだと思ふ。へたにコルセットをつけようとすると痛めてしまふ恐れがある。ただ腰バンドで歩き回るのはまだ無理かも知れない。また、腰に加はへ、胃腸がぐずぐずしてゐて氣にいらない。
ギョウザの夕食後、今日は風呂に入つた。シャワーといひ風呂といひじつに快適。湯船の中で足がのばせるのがいい。しかし、わが身はやせほそつて醜いほどだ。早く食欲がもどつてほしい。
12月8日(木)の日記
今朝、思ひきつてエンシュアリキッドを飲んでみた。少しづつ長い時間をかけて飲んだら、少したつて便が出た。めでたしめでたし!
朝食のお粥も味付け昆布、味付海苔、梅干しとともに美味しく食べることができた。
晝はちらし壽司、夕食はカレーライス、みな美味しく食べることができた。
それはおそらく、痛め止めの藥と胃藥、それに便秘藥をやめたからであらうと思ふ。
妻が整骨院で聞いてきた話によると、壓迫骨折の完治は六週間から八週間かかり、その間安静にしてゐなくてはならないといふ! つまり、今月いつぱい寢てゐなくてはならないといふことだ。が、妻に言はせると、いつもとかはらないんぢやない、と輕く言はれてしまつた。
昨夜、細谷正光編 『時代小説傑作選 江戸の老人力』(集英社文庫) 讀了。今朝は中野翠さんの 『ムテッポー文学館』、それに 『いじわるばあさん③』 をよみ終る。
12月9日(金)の日記
目覺めてすぐにエンシュアリキッドを飲む。朝食は昨日の殘りのカレーライス、晝は笹の葉壽司。夕食はかつをのたたきと燒き鳥とあつあげ。夕食後、また風呂に入つた。
讀書は亂讀。長編はよめない。久しぶりアマゾンに本を注文した。瞬時パソコンの前に座ることができたからだが、色川武大の妻・色川孝子が書いた 『宿六・色川武大』 である。
12月10日(土)の日記
今朝も目覺めてすぐにエンシュアリキッドを飲む。朝食は下へ下りおじやと燒き餅半分、晝は即席担々麺。夕食はとろとろ汁と酢だこと煮たあつあげ。以上コルセットをつけることによつて三度臺所まで下りて食べることができた。痛みが徐々に薄らいできたからだが、まだ坐藥の助けは必要のやうだ。お菓子もつまめるやうになつた。
それでもまだ猫たちのもとに行つてゐない。
12月11日(日)の日記
今朝も目覺めてすぐにエンシュアリキッドを飲む。コルセットをつければ動けるやうになり、食事時には下へ。朝食はお粥、昼はコロッケとクリームパン、夕食は刺身とウニ、肉炒め、湯どうふにもずく酢。
晝食後、一週間ぶりに猫たちのもとに行き、二時間ばかり抱いてあげた。
12月12日(月)の日記
今朝も目覺めてすぐにエンシュアリキッドを飲む。やはり力になつてゐるやうだ。コルセットをつけても動きは制限される、無理な姿勢だけは氣をつけたい。
朝食はお粥、晝はいなり壽司と鯖壽司。夕食はうどんすき。
さうだ、水回りの改装工事が今日で終了し、風呂、トイレにつづいて臺所といふか調理臺が仕上つた。ガスレンジがⅠHにかへられ、ペースメーカーのぼくは氣をつけなければならないが、たしかに美知子には使ひやすくなつたやうだ。夕食後風呂に入る。
『私の選んだ文庫ベスト3』 による芥川龍之介の① 『大導寺信輔の半生・手巾・湖南の扇』(岩波文庫) 讀了。しかしまつたく面白くなかつた。短編集なのでかろうじて讀めたしだい。それに比べて同じく讀了した斎藤美奈子さんの 『趣味は読書。』(ちくま文庫) のはうが斷然面白かつた。
退院してから由井正一編 『モダン・ジャズ入門』 をよんでゐるが、解説を得て改めてウォークマンで聞いてみるとこれまた格別である。
12月13日(火)の日記
少し寢過ごし7時にエンシュアリキッドを飲む。トイレには行けるやうになり、今日は尿瓶を使はないですんだ。
朝食はうどんすき、晝はにぎり壽司とおはぎ、夕食はぼくの希望をかなへてもらつたふぐ刺しとシュウマイ、オールフリーを飲んでしまつた。
夜、良ちやんに電話して山歩き用のステッキを借りたいと話したら、次郎吉おぢさん(良ちやんにとつては祖父)が使つてゐた杖を持つてきてくれたので、嬉しくなつて借りることにした。
先日注文した 『宿六・色川武大』 が届いた。
12月14日(水)の日記
朝起きたてのエンシュアリキッドを飲むのが習慣になつてしまつたやうだ。
朝食はお粥、晝はクリームぱんとロールぱんにポテトサラダ、夕食はまぐろ山かけ、牛肉のしぐれ煮、もずく酢、ご飯一杯。
昨夜、駒田信二編 『老年文学傑作選』(ちくまライブラリー) 讀了。身につまされる陰氣な内容ばかりで、あまり面白くなかつた。また、中野翠 『ほいきた、トシヨリ生活』(文春文庫) 讀了。これは面白かつた。つづいて由井正一編 『モダン・ジャズ入門』(荒地出版社) 讀了。いささか古い内容だがいい復習になつた。さらに、色川孝子 『宿六・色川武大』(文春文庫) 讀了。
12月15日(木)の日記
寢起きにエンシュアリキッド。快便。
朝食はお粥。晝はスパゲティー・ミートソース。夕食はなんと燒肉! 胆石を氣にしいしい美味しく食べた。夕食後風呂。温かくて氣持ちよかつた。
朝、日本橋の齒科醫院に連絡し、また明日の豫定をキャンセルした。これでキャンセルは何週めだらうか、來週は行けるだらう。
久しぶりに森詠を讀みはじめた。
12月16日(金)の日記
寝起きにエンシュアリキッド、快便はかはらず。
朝食はお粥。晝は即席担々麺とおはぎ。夕食はうな丼! 美味しく食べたが、胆石が心配。
昨日神田君から関田寛雄先生が亡くなつたらしいとの連絡が入つたけれど、その後何の音沙汰もなし。
森詠『冬の翼』(講談社文庫)を讀みつづける。
12月17日(土)の日記
寢起きにエンシュアリキッド、ありがたいことに快便がつづく。
朝食はお粥。晝はグラタン、脂質が多いので半分にした。それなのに夕食は燒肉大根おろしポン酢とナムル。旨かつたがさらに胆石の痛みが心配。
腰の痛みのはうはだんだんおさまつてきた。もう少しだが、寢てゐるのが樂だ。ところが美知子が不調を訴へ、心配は絶えない。
今日も森詠 『冬の翼』 を読みつづける。
12月18日(日)の日記
寢起きにエンシュアリキッド。快便後痛み止めの坐藥を入れる。
朝食はサンドイッチ、紅茶で食べた。さういへば腰を痛めてからコーヒーを飲んでゐない。晝は仙台そば。夕食はしめさばと麻婆豆腐とおでん。
腰の痛みがうすらいできたとはいへ、コルセットやベルトをつけて起きてゐるより寢てゐたはうがずつと樂だ。毎日寒いし。
森詠 『冬の翼』(講談社文庫) 讀了。つづいて途中でやめてゐた 『パンドラの匣』(ハヤカワ・ミステリ) を再開する。
12月19日(月)の日記
寝起きの「儀式」順調。
朝食はお粥(たまご燒き、奈良漬け、あさりの佃煮、梅干しなどをわづかづつ)。晝は菓子パンと紅茶。夕食は餃子とおでん、ご飯はいつもとかはらず一膳。
午後、母がディサービスで不在なので、母の〈机こたつ〉に座つてパソコンを操作。11月18日から月末までのEメール日記を「ひげ日記」にコピー開始、一カ月ぶりの作業である。腰の痛みがうそのやうにやわらぎ、腰ベルトだけで長時間座つてゐることができるやうになつた。夕方には猫たちといつしよにゐてあげることもできた。
夕食後、風呂。からだが芯まで温まる。
トマス・チャステインの 『パンドラの匣』(ハヤカワ・ミステリ) 讀み進む。
12月20日(火)の日記
今日は延期してもらつた新橋の慈惠循環器内科の通院日、美知子に付き添つてもらつて出かけた。腰のはうはコルセットをやめて腰バンドにしたけれど、さほど痛みはなく歸宅するまで耐へられた。
ミカ先生、心臟は弱いながら安定してゐるのに、他のところが傷んでしまつて仕方ないですねと苦笑ひ! それにしても服用してゐる藥のうちのカリウムが藥局で手に入りにくくなつてゐるといふ。心臟病には缺かせず、どうにかならんものか!
歸路、タクシーで上野驛まで歸り、ねぎしでおそい晝食。
朝食はお粥(奈良漬け、あさりの佃煮、梅干しをわづか)。晝は外食で上野ねぎしの白たんセット。久しぶりの外食が旨かつた。夕食はうどんすき。
夕食後入浴、温まつてベッドに入る。
持ち歩いた 『パンドラの匣』、あまり讀めなかつた。
長谷川町子 『いじわるばあさん④』(朝日文庫) 讀了。これで全四册讀了。
今日の外出・・・三六二九歩
十二月廿一日(水) 舊暦十一月廿八日(戊申) 晴たり曇つたり
午前中、パソコン操作でひげ日記を完成させる。
午後、二カ月ぶりに床屋に行き、整髪、ではなく坊主に刈りあげてもらふ。顔もひげをのこして剃つてもらひさつぱりした。
夕食後、今日も風呂にはいつてからだを温める。
朝食・・うどんすき。晝食・・サンドイッチ。夕食・・まぐろ山かけ、カツ煮少々、おでん
十二月廿二日(木) 舊暦十一月廿九日(己酉・冬至) 雨のちやむ
寒くて終日横になつてゐた。元氣なのは猫たちで、午後しばらく抱いてあげた。
朝食・・お粥(奈良漬け、小魚の佃煮、梅干し)。晝食・・ちらし壽司。夕食・・カレーライス
トマス・チャステインの 『パンドラの匣』(ハヤカワ・ミステリ) 讀了。終盤ははらはらどきどきだつた。
十二月廿三日(金) 舊暦十二月一日(庚戌・新月) 晴
五週間ぶりに、日本橋の齒科へ通院。まだ腰は痛いが歩けないほどではなく、無事歸宅できた。むろん齒のはうも正月をこすには支障のない状態である。
歸路、同じ通りのぶよう堂で 『グローバルマップ 世界&日本地図帳』(昭文社) を求め、さらに銀座敎文館まで足をはこんで、來年の「ポケット・カレンダー」以下、『文語訳 旧約聖書Ⅰ 律法』(岩波文庫) と、米田彰男 『寅さんの神学』(オリエンス宗敎研究所)、それに、源顕兼 倉本一宏編 『ビギナーズ・クラシックス日本の古典 古事談』(角川ソフィア文庫) を買ひ求めてしまつた。すべて新本である!
銀座線で上野広小路驛下車、少しおそくなつたが玄品で正午膳コースをいただく。久しぶりの美味しさに舌鼓を打つ。
朝食・・カレーライス。晝食・・玄品の正午膳コース。夕食・・シュウマイ、鳥肉照り焼き、松前漬け、けんちん汁、夕食のご飯はとくに記さないが常にかるく一膳である。
今日の外出・・・三八七五歩
十二月廿四日(土) 舊暦十二月二日(辛亥) 晴
昨夜、買ひたてほやほやの米田彰男 『寅さんの神学』(オリエンス宗敎研究所) 讀了。つづいて、若松英輔さんの 『イエス伝』(中央公論新社) をよみはじめる。まあ、クリスマスといふわけでもないけれど、この 『イエス伝』、從來のイエス傳とはわけが違ひさう!
また、先日よみはじめた寺山修司 『花嫁化鳥 日本呪術紀行』(中公文庫) がおもしろい。異界に引き込まれさうな趣きだ。
夕食後、今日も風呂にはいつた。もつとはやく改装すればよかつたと妻と話す。
今日の朝食・・ビスケット(ポテトサラダ、バナナ、りんごそれぞれ少々)、コーヒー。晝食・・燒きおにぎり。夕食・・まぐろ山かけ、とりのソテー、あん肝、松前漬け
横になつてゐれば痛くはないが、起きてゐればまだ痛い。治癒のためには動いたはうがいいのか、靜かに寢てゐたはうがいいのか。ぼくとしては寢ながら本をよんでゐたい。
寺山修司 『花嫁化鳥 日本呪術紀行』(中公文庫) 讀了。
今日の朝食・・ビスケット。晝食・・今半の牛丼辨當。夕食・・レバー、ウニ、お煮しめ(根菜煮)、カニのみそ汁
十二月廿六日(月) 舊暦十二月四日(癸丑) 晴
することもなく、といふか何もできずに寢床で讀書。
夕方、弟と妹がやつてきて夕食をともにする。水回りのかはりやうに驚いたやうだ。
若松英輔さんの 『イエス伝』(中央公論新社) 讀了。帶には 「私のイエスは、『教会』には留まらない。むしろ、そこに行くことをためらう人のそばに寄り添っている」とある。
また、徳川夢声 『徳川夢声の問答有用 1』(朝日文庫) 讀了。とはいへ、長嶋茂雄との問答はとばした! さらに、泉麻人 『けっこう凄い人』(新潮文庫) 讀了。みな少しづつ讀んできたものがいつせいに終つた。
今日の朝食・・燒もち。ひる・・ピザパイ。夕食・・にぎりずしなど
十二月廿七日(火) 舊暦十二月五日(甲寅) 晴
朝から通院。慈惠醫大葛飾醫療センター(靑戸病院)の外科と整形外科の二科にかかる。午前中の外科では、胆石について、もう恐れはないだらうといふことで打ち切られやうとしたが、一年後のCT檢査とその診斷だけは豫約していただいた。整形外科は、いつたん歸宅して晝食を靑砥驛前の更科でそばをいただいたのちに再び出かけて診ていただいたところ、骨密度やはり低下してをり、今さらながら姿勢などの注意を受けた。
そこで、今後は近くの整形外科にかかるやうに指導され、すぐに南郷さんに紹介状を書いていただいた。忘れもしない四月一日に岩畳転倒直後診ていただいた我が家ではおなじみの醫院である。
そして歸路、南郷醫院に直行して診ていただき、諸注意を受け、さらに「電氣治療」をさせられた。一〇分ほど患部を温めるだけのものだけれども、理由を聞くのを忘れてしまつた。まあ、温めるのが良いらしい。
岡本綺堂 『三浦老人昔話 岡本綺堂読物集 一』(中公文庫 新字舊假名) 讀了。内容は、「死んでもかまわないから背中に刺青を入れてくれと懇願する若者、下屋敷に招じられたまま姿を消した女形、美しい顔に傷をもつ矢場の美女の因縁話など、しみじみとした哀話からぞくりとする怪談まで、岡っ引き半七の友人、三浦老人が語る奇譚十二篇に、附録として短篇二篇を添える」
今日の朝食・・ビスケット。ひる・・天ぷらそば。夕食・・すき焼き、酢だこ
十二月廿八日(水) 舊暦十二月六日(乙卯) 晴
おひるにますやのカレーうどんと鍋燒きうどんを食べて、弟は歸つていつた。
午後三時過ぎ、南郷醫院へ「電氣治療」に出かける。
夕食後入浴。
梶山季之 『せどり男爵数奇譚』(ちくま文庫) 讀了。内容は、「“せどり”(背取、競取)とは、古書業界の用語で、掘り出し物を探しては、安く買ったその本を他の古書店に高く転売することを業とする人を言う。せどり男爵こと笠井菊哉氏が出会う事件の数々。古書の世界に魅入られた人間たちを描く傑作ミステリー」
今日の朝食・・燒もち。ひる・・カレーうどんと鍋燒きうどんを少しづつ。夕食・・かつをの土佐作り、すき焼きもどき、昆布煮
寢坊し、おそい朝食後に南郷さんへ電氣治療。骨の藥については、「カルシウム」の値を調べてからといふことで、檢査は年明け早々といふことになつた。
晝食後は横になつて讀書。夕方猫たちと過ごす。
池波正太郎 『殺しの掟』(講談社文庫) 讀了。
今日の朝食・・燒もち。ひる・・すしとおはぎ。夕食・・すぶた、餃子、昆布煮
十二月卅日(金) 舊暦十二月八日(丁巳・上弦) 晴
寒い。一日横になつて過ごす。
梶山季之 『彫辰捕物帖』(光文社時代小説文庫) 讀了。
今日の朝食・・燒もち。ひる・・グラタン。夕食・・とんかつ、しめさば、酢だこ
十二月卅一日(土) 舊暦十二月九日(戊午) 晴
お晝に年越しそばを食べて一年をふりかへつた。
山崎ナオコーラ 『文豪お墓まいり記』(文春文庫) 讀了。
十二月一日~卅一日 「讀書の旅」
二日 永井荷風著 『深川の唄・歡樂 他狐一篇』 (新潮文庫 舊字舊假名)
七日 細谷正光編 『時代小説傑作選 江戸の老人力』 (集英社文庫)
8日 中野翠 『ムテッポー文学館』 (文春文庫)
同 長谷川町子 『いじわるばあさん③』 (朝日文庫)
十二日 芥川龍之介 『大導寺信輔の半生・手巾・湖南の扇』 (岩波文庫)
同 斎藤美奈子 『趣味は読書。』 (ちくま文庫)
十三日 駒田信二編 『老年文学傑作選』 (ちくまライブラリー)
十四日 中野翠 『ほいきた、トシヨリ生活』 (文春文庫)
同 由井正一編 『モダン・ジャズ入門』 (荒地出版社)
同 色川孝子 『宿六・色川武大』 (文春文庫)
廿日 長谷川町子 『いじわるばあさん④』 (朝日文庫)
廿二日 トマス・チャステイン 『パンドラの匣』 (ハヤカワ・ミステリ)
廿三日 米田彰男 『寅さんの神学』 (オリエンス宗敎研究所)
廿五日 寺山修司 『花嫁化鳥 日本呪術紀行』 (中公文庫)
廿六日 若松英輔 『イエス伝』 (中央公論新社)
同 徳川夢声 『徳川夢声の問答有用 1』 (朝日文庫)
同 泉麻人 『けっこう凄い人』 (新潮文庫)
廿七日 岡本綺堂 『三浦老人昔話 岡本綺堂読物集 一』 (中公文庫 新字舊假名)
廿九日 池波正太郎 『殺しの掟』 (講談社文庫)
卅日 梶山季之 『彫辰捕物帖』 (光文社時代小説文庫)
卅一日 山崎ナオコーラ 『文豪お墓まいり記』 (文春文庫)