2023年2月1日(水)

南郷さんを休み、今年はじめて床屋(理容双葉)に行き、さつぱりとした。

晝食は家で、夕食のクジラの刺身が旨かつた。脚がのばせる風呂がありがたい。

池波正太郎 『剣客商売十三 波紋』(新潮文庫) 讀了。ここで寄り道、剣客商売番外編の 『黒白』(新潮文庫) をよみはじめる。主人公秋山小兵衛の若かりしころの物語のやうである。さういへば正月中古本市には一度も行かなかつた。友愛書房とブックオフ綾瀬店と上野広小路店をたづねただけだつた。

今日の外出・・・910歩。 

 

2月2日(木)

南郷さんで電氣治療。まあ、腰の据えかたや歩き方によつてもちがふのだが、いつかうに痛みがなくならない。

晝食は堀切菖蒲園驛前通りの中華タカノでタンメン餃子を食べた。餃子はこちらのはうが旨いがタンメンはぎょうざの満州のはうがだんぜん旨い! 夕食はすき焼き。どれも美味しかつたが、今日は鹽分と脂肪分をとりすぎたかも知れない。體重が少しづつもどつてきたのはうれしいが、母のはうが二キロも多いのには驚いた!

池波正太郎 『剣客商売番外編 黒白(上)』(新潮文庫) 讀了。

今日の外出・・・1190歩。 

 

2月3日(金) 節分

南郷さんの歸路、晝食はお茶の水まで行き、久しぶりに誠鮨のちらし壽司をいただいた。やはり旨かつた。それから古書會館をたずね、今年はじめて古本市をのぞいた。が、短時間ですまし、求めたのは文庫本二冊と中公バックス・世界の名著の 『老子・荘子』 のみ。腰の痛みには勝てなかつた。夕食の酢だことナムルが旨かつた。そのあとで入浴、からだがあたたまつた。

池波正太郎 『剣客商売番外編 黒白(下)』(新潮文庫) 讀了。

今日の外出・3280歩。

 

2月4日(土) 立春

南郷さんを休み、終日讀書。

池波正太郎 『剣客商売十四 暗殺者』(新潮文庫) と 『剣客商売十五  二十番斬り』(同) 讀了。いよいよあと一冊。 

 

2月5日(日)

終日讀書。

池波正太郎 『剣客商売十六  浮沈』(新潮文庫) 讀了。これで「剣客商売」完結。ではなく、もう一冊 『番外編 ないしょないしょ』(同) があり、これも一氣に讀了。  

 

2月6日(月)

南郷さんで電氣治療後、美山亭に行つてタンメンを食べた。その美山亭からの歸り、裏道を歩いてゐたら、駐車場の向かうに天祖神社が見える町角にさしかかつた。どうも見覺えのある場所だとおもつたら、ここに昔映畫館があつたことを思ひ出した。さう、「文映」である。子どものころ西部劇をよく見に行つた映畫館である。近くには、東映専門のオリエンタルとか日本館、世界館などの映画館もあつたのだつた。

歸宅後讀書。池波正太郎 『まんぞく  まんぞく』(新潮文庫) 讀了。 

 

 

2月7日(火)

慈惠靑戸病院の外科へ通院。先日の檢査の報告をうけるだけかとおもつたら、入退院センターで、胆石摘出手術するまでの諸檢査や入院までの豫定をくはしく説明された。入院は3月14日、手術が20日。全身麻酔だといふので、妻には身邊整理しておきなさいよといはれるし、ちよいと不安になつた。それもさうだがひげを剃らなければならないのがつらい。

池波正太郎 『闇は知っている』(新潮文庫) と 『江戸の暗黒街』(同) 讀了。「鬼平犯科帳」シリーズが届く。

今日外出・850歩  

 

2月8日(水)

南郷さんで電氣治療後、靑砥驛のすし三崎丸で晝食。お花茶屋驛からは歩いて歸つた。

驛前の古本屋で武田泰淳の 『新・東海道五十三次』(中公文庫) を見つけたので買つてしまつた。

池波正太郎 『谷中・首ふり坂』(新潮文庫) 讀了。

今日の外出・・・3710年歩 

 

2月9日(木)

南郷さんで電氣治療後、タカノでタンメンを食べて歸る。

松本清張 『徳川家康』(角川文庫) をよみはじめる。付記に「本作品は、昭和三十年、青少年向きの伝記シリーズの一冊として書下したものである」とあるやうにとてもわかりやすい。

今日の外出・2550歩 

 

2月10日(金)

雪のち雨。二週間ぶりに日本橋の齒科醫院に通院。順調に治療がすすむ。

歸路、丸善に寄り、久保田淳訳注 『新古今和歌集(上)』(角川文庫) を求め、晝食は上野驛アトレのとん久でとんかつをいただいた。疲れてくると腰の痛みがはげしくなり、上野の地下道では坐り込みたくなつた。

夕食後入浴。

松本清張 『徳川家康』(角川文庫) 読了。

武田泰淳『新・東海道五十三次』(中公文庫)をよみはじめる。『ちゃんと歩ける東海道五十三次』(山と渓谷社)の地図を見ながら楽しむが、脱線話が多く、それがまた面白い。 

今日の外出・4020歩

 

2月11日(土)

武田泰淳 『新・東海道五十三次』(中公文庫) をよみつづける。 

 

2月12日(日)

終日讀書。

午後純子さん來られ、妻につづいて整體の施術を受ける。

武田泰淳 『新・東海道五十三次』(中公文庫) 讀了。つづいて山田風太郎 聞き手・森まゆみ 『風々院風々風々居士』(ちくま文庫) 讀了。また風太郎をよみたくなつたが、すでに一度讀んだことのある鬼平犯科帳をよみはじめてしまつた。 

 

2月13日(月)

雨。終日讀書。池波正太郎 『鬼平犯科帳(一)』(文春文庫) 讀了。また、『ユリイカ 2001年12月号 特集山田風太郎』 の山田風太郎+中島河太郎と木田元+中野翆の二つの對談を讀む。 

 

2月14日(火)

新橋の慈惠醫大病院へ通院。血液、心電圖、レントゲン畫像の結果はよく、胆石摘出手術にも耐えられますよとミカ先生。だが、そのあとすぐ、ペースメーカーの充電手術がひかへてゐるとのこと。詳しくは來週のペースメーカー外來ではつきりしさうだ。

歸路、腰が痛くてたまらず、どうにか歸宅したけれど、横になつても痛いところができてしまつた。

池波正太郎 『鬼平犯科帳(二)』 讀みすすむ。また、山田風太郎 『半身棺桶』(徳間文庫) をよみはじめる。冒頭の「私の死ぬ話」には抱腹絶倒!

今日外出・・・3100歩 

 

2月15日(水)

池波正太郎 『鬼平犯科帳(二)』(文春文庫) 讀了。

 

2月16日(木)

寒かつたけれど南郷さんへ行き、電氣治療後靑砥驛のダイソーへ直行。きなこ棒はじめデーツやいちじくなどのドライフルーツを買ひ込んだ。それから堀切にもどり、タカノでタンメンと餃子をいただいた。

午後は窓ぎわのソファーで讀書。夕方猫たちとたはむれ、夕食後入浴。

今日の外出・・・2900歩 

 

2月17日(金)

日本橋の齒科醫院に通院。

歸宅後、ふと、木刀があるのをおもひだし、素振りをしてみた。腰の運動にはいいみたいだ!

池波正太郎 『鬼平犯科帳(三)』(文春文庫) 讀了。

山田風太郎が 『半身棺桶』 の中で、「眠るための私の魔法」を書いてゐるが、ぼくにとつてはさしづめ和歌だらう。今のところ 『新古今和歌集』 だが、そのくづし字本文を解讀してゐるうちに眠りに落ちてゆくのである。

今日の外出・・・3130歩 

 

2月18日(土)

山田風太郎 『半身棺桶』(徳間文庫)、つづいて池波正太郎 『鬼平犯科帳(四)』(文春文庫) 讀了。

また、日本の古本屋を通して永井荷風 『断腸亭日乗』(岩波書店) を注文した。 

 

2月19日(日)

池波正太郎 『鬼平犯科帳(五)』(文春文庫) 讀了。

山田風太郎のエッセイ集 『コレデオシマイ』、『いまわの際に言うべき一大事はなし』、『ぜんぶ余禄』 などをアマゾンを通して注文した。 

 

2月20日(月)

午前中起きられず。お晝は靑戸まで出かけ、はじめての店 “手打ちそば かとう” へ入ってみた。鴨南蛮を食べたのだが、今までで最高、味も量も絶品だつた! そのまま歩いて竹内書店を訪ねたけど、ながめただけで歸宅した。

近ごろ食べてゐるのだけれども體重が増えない。もう少し肉と筋力をもどしたい。

山田風太郎 『死言状』(小学館文庫) 讀了。言ふに言つたり 「死は推理小説のラストのごとく、本人にとって最も意外なかたちでやってくる」!

今日の外出・・・3190歩 


 

2月21日(火)

窓ぎはのベランダにはのら猫の餌を目あてに雀が多數やつてくる。雀より大きな鳥たちは遠卷きに電線にたむろしてゐる。陰になつて姿がよく見えないがツグミか知らん。

妻がうるさく言ふので、お尻をこぶしで揉んだら痛いのなんの。だが、うそのやうに腰の痛みがうすらいだ。血行がよくなつたからだらうか。

池波正太郎 『鬼平犯科帳(六)』(文春文庫) 讀了。また、讀みすすんできた夏目漱石の 『硝子戸の中』(角川文庫) をよみ終る。

永井荷風 『断腸亭日乘』(全7册 岩波書店) が届いた。箱に入つたきれいな本で、3000円とは安い。まあ讀みはじめてみよう。 

 

2月22日(水)

新橋の慈惠醫大病院ペースメーカー外來へ通院。結果、充電手術は4月25日を豫定だが、それまでの諸檢査の結果によつてあらためて決定。

病院は午後だつたので、晝は神保町の “そば処 こんごう庵” で天ざるそばをいただき、また古本屋を時間のゆるすかぎりのぞいて歩いた。

歸路、やはり腰が痛くてたまらず! 無理はできないとおもつた。

山田風太郎の忍法もの第一作 『甲賀忍法帖』(講談社文庫) をよみはじめる。

帰宅後届いた本は 『いまわの際に言うべき一大事はなし』、『ぜんぶ余禄』、関川夏央 『戦中派天才老人・山田風太郎』。 

今日外出・・・4490歩

 

2月23日(木)

今日はぼくの誕生日。76歳になつた。すでに餘祿の人生に入つてゐるとはいへ、まだまださとりきれてゐない。それでお晝には、再び靑戸の “手打ちそば、かとう” へ行き、鴨南ばんをいただいた。旨い! 夕食はこれまた好物のすき焼きで祝つてもらつたが、鴨肉と牛肉では鹽分と脂肪分のとりすぎではないかとだいぶ反省。

ちなみに、ぼくのところには「参賀」がなかつたのはどうしたわけだらう。

山田風太郎 『甲賀忍法帖』(小学館文庫) 讀みすすむ。

今日の外出・・・2350歩。このくらゐなら腰が痛まないことがわかつた。 

 

2月24日(金)

日本橋の齒科に通院。

歸路、神保町の古書會館古本市を訪ね、腰に負擔がかからない程度に、文庫本を數册求めた。

歸宅後、山田風太郎 『コレデオシマイ』(講談社プラスアルファ文庫) 『文藝別冊、我らの山田風太郎: 古今無双の天才』(河出書房新社編集部) が屆く。

今日の外出・・・3720歩。やはり二千歩をこえると腰にひびく。 

 

2月25日(土)

曇天。

山田風太郎、忍法帖第一作 『甲賀忍法帖』(講談社文庫) 讀了。

山田風太郎対談集 『風来酔夢談』(富士見書房) 届く。 

 

2月26日(日)

晴。午後、純子さん來られて整體を受ける。

山田風太郎対談集 『風来酔夢談』(富士見書房)、つづいて同インタビュー集 『コレデオシマイ。風太郎の横着人生論』(講談社+α文庫) 讀了。まあ、なんといつても面白い。

それにしても讀みたい本がすぐ手に入るのはありがたい。 

 

2月27日(月)

ひる、月末を期限とする割引きハガキを持つて、ふぐを食べに上野へ出た。ついでにブックオフに入り、文庫本を數册求める。

関川夏央 『戦中派天才老人・山田風太郎』(ちくま文庫) 讀了。つづいて池波正太郎 『鬼平犯科帳(七)』(文春文庫) も讀了。

 

今日外出・・・2710歩。限度をこえたらしく歸路腰が痛みだした。 

 

2月28日(火)

晴。ひるは妻と驛前の“人と木”まで出かけて天ぷらそばを食べた。が、靑戸の “手打ちそば、かとう” のはうが數倍も美味しいことがわかつた!

誕生日が過ぎ、自動車運轉免許證の更新の期限がせまつてきた。この二、三か月考へに考へてきたが、東京に歸つてから13年間ほとんど運轉してゐないのだ。妻の運轉があればこそだが、これからもしないだらうことを考へて、免許證を返却してしまはうと思ふ。

山田風太郎 『風太郎の死ぬ話』(角川春樹事務所、ランティエ叢書)、同 『女死刑囚』(旺文社文庫)、同 『怪異投込寺』(同) が届く。

 

 

二月一日~廿八日 「讀書の旅」 

一日 池波正太郎 『剣客商売十三 波紋』 (新潮文庫)

二日 池波正太郎 『剣客商売番外編 黒白(上)』 (新潮文庫)

三日 池波正太郎 『剣客商売番外編 黒白(下)』 (新潮文庫)

四日 池波正太郎 『剣客商売十四 暗殺者』 (新潮文庫)

四日 池波正太郎 『剣客商売十五  二十番斬り』 (新潮文庫)

五日 池波正太郎 『剣客商売十六  浮沈』 (新潮文庫)

同 池波正太郎 『剣客商売番外編  ないしょないしょ』 (新潮文庫)

六日 池波正太郎 『まんぞく  まんぞく』 (新潮文庫)

七日 池波正太郎 『闇は知っている』 (新潮文庫)

同 池波正太郎 『江戸の暗黒街』 (新潮文庫)

八日 池波正太郎 『谷中・首ふり坂』 (新潮文庫)

十日 松本清張 『徳川家康』 (角川文庫)

十二日 武田泰淳 『新・東海道五十三次』 (中公文庫)

同 山田風太郎 聞き手・森まゆみ 『風々院風々風々居士』 (ちくま文庫)

十三日 池波正太郎 『鬼平犯科帳(一)』 (文春文庫)

十五日 池波正太郎 『鬼平犯科帳(二)』 (文春文庫)

十七日 池波正太郎 『鬼平犯科帳(三)』 (文春文庫)

十八日 山田風太郎 『半身棺桶』 (徳間文庫)

同 池波正太郎 『鬼平犯科帳(四)』 (文春文庫)

十九日 池波正太郎 『鬼平犯科帳(五)』 (文春文庫)

廿日 山田風太郎 『死言状』 (小学館文庫)

廿一日 池波正太郎 『鬼平犯科帳(六)』(文春文庫) 讀了。また、讀みすすんできた同 夏目漱石 『硝子戸の中』 (角川文庫 舊字舊假名)

廿五日 山田風太郎 『甲賀忍法帖』 (講談社文庫)

廿六日 山田風太郎対談集 『風来酔夢談』(富士見書房)

同 山田風太郎インタビュー集 『コレデオシマイ。風太郎の横着人生論』 (講談社+α文庫)

廿七日 関川夏央 『戦中派天才老人・山田風太郎』 (ちくま文庫)

同 池波正太郎 『鬼平犯科帳(七)』 (文春文庫)