正月四日(金)舊十一月廿九日(辛丑 晴

 

今日は新年初の古本市の開催日でした。しかし、讀みかけた 『藪枯らし純次』 を置いては出かけられません。厚さで内容が計れるわけではありませんが、昨夜のうちに半分の厚さを讀み、夕食前に3センチすべて、621頁を讀みました。休む暇を與へない、なにしろ目がはなせないうちに讀み終つたといふ、たしかに、血も沸き肉も躍る内容でした。 

 

それで、年末年始にちなんだメメントモリの 『一休骸骨』 が終はりましたから、これから何を讀んだらいいのか、ちやうど新年を迎へましたので、《讀書の旅》 のスケジュールをあらためて確認しておきたいと思ひます。

 

一つめのテーマは、すでに讀んだ「六國史」につづく歴史書と古記録です。『日本紀略』 は二〇一七年十一月に讀み終へたので、つづくは、『百錬抄』、『吾妻鏡』、『續史愚抄』、『後鏡』、『德川實記』 といつた變体漢文の史書。それと、『玉葉』、『明月記』 などの古記録。これらは、しかし、讀み通すといふより史實を確認するために、『大日本史料』 の入手分とともに參考にするだけに終はる公算が強いと思ひます。

 

二つめの最も重要なテーマは、變體假名(複製・影印)で、日本古典文學の原典を書かれた順に讀むことです。二〇一三年六月に苦勞して讀んだ 『竹取物語』 を皮切りに、すでに 『土佐日記』、伊勢・宇津保・大和・落窪・平中物語、『蜻蛉日記』、『枕草子』、そして、『源氏物語』 へとたどりついたところですが、以下、『和泉式部日記』 とか、『浜松中納言物語』 とか、『堤中納言物語』とか、『更級日記』、『宇治拾遺物語』、『徒然草』 などとつづきますので、このままでは江戸時代のものは讀めなくなることも考へられるので、ここで第三の江戸時代の書のテーマを設けて、第二のテーマと並行して讀むことにしました。

 

さらに、四鏡と呼ばれる、『大鏡』、『今鏡』、『水鏡』、『增鏡』 といつた歴史物語もこのなかに入れておきませう。すでに讀んだものもありますが、入手した複製本で讀み直してもいいかと思つてゐます。できれば、先日讀んだ 『保元記 上』 など、『平家物語』 等の軍記物語りも複製本で讀んでみたい。

 

そして、三つめのテーマが、江戸時代以降の作品を變體假名(複製・影印)で讀むことです。それも、今まではつまみ食ひのやうに讀んでゐたので、昨年、古本市で出會つたたくさんの和本を年代順に並べてみてびつくり。それらを、できるだけ書かれたか刊行された年代順に讀んでいくことにしました。

 

今まで何度も考へては變更してきた計畫ですが、現在ほぼこの三つのテーマに収斂することができるかと思ひます。遠大なる計畫ですから、ときにはかうして確認をしなければなりません。まあ、ぼくの壽命がそれをどこまでゆるしてくれるのかによりますけれど。 

まづは、以下の、一六〇〇年代のおもな作品の中から、最初の 『説教かるかや』 を讀んでいきたいと思ひます

 

・『説教かるかや』 寛永八年(一六三一年) 

・『無難禅師法語』 寛文六年(一六六六年)、大正四年刊 

・『色道諸分 難波鉦』 酉水庵無底居士作 延宝八年(一六八〇年)刊行 

・『好色一代男』 井原西鶴著 天和二年(一六八二年) 讀みかけ 

・『貧人太平記』 作者未詳 貞享五年(一六八八年) 

・『人倫訓蒙圖彙』 著者未詳、畫・蒔繪師源三郎 元禄三年(一六九〇年)刊