九月廿一日(金)丙辰(舊八月十二日) 

 

今日は寒くて、毛布のひざ掛けを出してきたら、それを待ちかまへてゐたかのやうに、モモタとココがひざにのつてきました。とくにもとはノラだつたココは、いままではぼくのはうから手をさしのべないとひざにあがつてこなかつたのが、今日は自分のはうからぼくの胸にしがみついてきました。

 

モモタとココは元氣にとびまはつてゐますが、ぼくのはうはだんだん氣力が失せていくやうです。どうにか、《變體假名でよむ日本古典文學》は 『おくのほそ道』 をよんでゐますが、『源氏物語』 はおあずけ状態です。再び「紫上系」(の〈花散る里〉)にもどつたところですから、こんどよむときにはせめて〈須磨〉〈明石〉そして〈澪標〉までは一氣によみ進みたいです。 

その一方で、時代小説やミステリーが面白くて、まるで入院生活をしてゐるみたいです。藤沢周平も北方謙三も入院中にほとんど讀んだのでした。でも最近はハードボイルドに溺れてゐます。

 

今日も、ジム・ケリー著 『逆さの骨』(創元推理文庫) をよみ終はり、つづいて、先日まとめて購入した、マイクル・Z・イリューインの探偵アルバート・サムスン・シリーズ第一作、『A型の女』 をよみはじめました。

まあ、しばらくは變體假名とミステリーを交互に、といふか並行してよんでいきたいと思ひます。もちろん、「おくのほそ道」 の旅は念頭においてゐるのですが、まだ時が熟してきてゐません。氣力に加へて體力がともなはなくなる前に旅立てるかどうか・・・。