七月廿七日(金)庚申(舊六月十五日) 晴のち曇り

 

今日は久しぶりに外出してまゐりました。例の門前拂ひを食らつた日からですから、何日ぶりでせうか。やつと立ち直つて出かける氣になりました。 

實は古本市へ行くのも億劫だつたのですが、明日から明後日にかけて臺風が直撃しさうですし、古本市に本を註文してあつたので、取りに行かなければならなかつたからです。 

最近は、開催される古本市ごとに「目録」が送られてきます(今日の寫眞參照)。そのなかから目ぼしいものを、はがきとかファックスで註文すると、重複した場合は抽籤になりますが、前もつて註文できるのです。それで今回はじめてはがきで註文してみたのです。

 

森銑三著 『物語 塙保己一』(三国書房 1942年) といふ古本です。ただし、どんな状態かは見てからのお樂しみといふことで、いつもなら神保町を歩いたあとでうかがふのを、今朝は最初に五反田に向ひました。京成靑戸驛から直通です。しかも途中から都營ですから運賃もかかりません、神保町に行くのも、時間さへ氣にしなければとてもお得です。 

ところが、五反田の南部古書會館に出向き、いの一番に問ひ合はせたところ、おしくも外れてゐました。何人もの註文が重なつたやうでした。初の試みも殘念な結果に終はりました。また、一册の収穫もありませんでしたが、ただでは起きません。昨夜ネットで探しておいたうなぎ屋を訪ねてうな重を食べることができました。

 

地下鐵草線と三田線を乘りいで神保町に行き、こんどは東京古書會館の古本市を探索。その結果、文政十二年(一八二九年)に出版された和本の 『一茶発句集』 を見つけられたので、これで引き上げることにしました。 

歸宅しましたら、昨日代金を振り込んで註文した、伊東祐子著 『藤の衣物語絵巻(遊女物語絵巻) : 影印・翻刻・研究』 < 笠間叢書 296 > がもう届いてゐました。それが、まるで新品なのでびつくりしてしまひました。 

「十年間に亘る伊東祐子さんの真摯な努力と研究がいよいよ実を結んで、この重要な中世白描絵巻の全容が明らかにされることになった。国文学や歴史学の専門家方に劣らず、これは私たち美術史家にとっても、何よりの悦びであり、貴重な基礎資料として活用してゆくことができる。先ず心からの慶賀を捧げさせていただきたい」。これは、〈序〉を書いた方のお言葉ですが、絶賛してをります。たしかに、描かれた遊女が實にすばらしい!

 

それと、悔しいので、調べたら、『物語 塙保己一』 は、『森銑三著作集 〈第7巻〉 人物篇』 に入つてゐることがわかつたので、すぐに註文しました。 

 

今日の寫眞・・朝、お花茶屋圖書館に寄つたときに見つけた夕顔の花。白い花びらが多いやうですが、これもたぶん夕顔だと思ひます。花言葉は、「夜」、「罪」とともに、「はかない戀」でした。