三月廿日(火)辛亥(舊二月三日 雨、寒い

 

今日の讀書・・昨日につづいて今日も食事がとれずに寢て過ごしました。すると、およそ三キロ體重が減りました! 水分も抜けたので、心臟がとても樂になりました。 

病院へ行くほどではないけれど、まあ樣子をみることにします。

 

それで、讀書するほどの氣力もありません。が、ベッドでは、左を向けば 『枕草子』、右を向けば 『古今和歌集』 がぶら下がつてゐるので、くづし字が否應なく目に入ります。『古今和歌集』 のはうは、卷第九〈羈旅歌〉に入り、いきなり懐かしい歌が、そして詞書がいい復習になります。 

また、『枕草子』 は、やつと三〇段、「過ぎにし方戀しきもの」までやつてきました。 

この不精とも思へる勉強方は、寒い時には手を出さないですむので、我ながらいい工夫だと悦に入つてゐます。 

 

今日の寫眞・・『古今和歌集』 三種。下から、藤原定家筆、三條西實隆自筆(解讀が最も難しいこの筆から讀むやうにしてゐます)、さいごは、明治期になつて印刷された和本ですが、まだまだくづし字は生きてをります。これらをくらべながら讀むと、わからない文字もわかつて、とても樂しい!