三月六日(火)丁酉(舊正月十九日・啓蟄 くもりのち晴

 

今日の讀書・・船戸与一著 『新宿・夏の死』 讀了。七〇〇頁以上ある分厚い文庫本でした。内容は、新宿を舞臺にした、小説とはいへ、現實を模寫したものなのでありませう、だいぶ後味がよくありませんでした。それでも讀ませてしまふ力量には驚きます。それもそのはづ、二〇〇〇年の直木賞受賞後第一作なのでした(註)。

 

つづいて、森詠のつづきもの、『彷徨う警官2 特命捜査』 を讀みはじめました。 

 

註・・『新宿・夏の死』の内容紹介 ─ 残された人生で息子の復讐を誓った父親。亡くなった仲間のために、誇りをかけて立ち上がった男娼たち。貸金業の男が夢見た現実からの脱出と誤算。消すことのできない過去に縛られ続ける、元高校教師のホームレス。失踪人の捜索を進めるうちに、自ら抜き差しならない状況に追い込まれていく興信所勤めの元女刑事…。幻と現実、正気と狂気、違法と合法、男と女。欲望うごめく世紀末の新宿を舞台に、出口なしの人間たちのダークサイドを濃密な筆致で描いた、八つの熱い物語。二〇〇〇年の直木賞受賞後第一作。時代を超えて生きる、傑作中篇集。 

 

今日の寫眞・・朝刊の切り抜き