二月三日(土)丙寅(舊十二月十八日 うすぐもり

 

今日は金曜日、ではなくて土曜日ですが、神保町と高圓寺の古書會館をはしごしてきました。 

神保町の古書會館は、昨日と今日の開催で、人出も少なくてゆつくり見て回れました。けれど、掘出し物は皆無。くづし字のお勉強のために、明治廿三年に出された、『古文讀本』(三〇〇圓) を求めたのみ。この三の卷は、「今昔物語集」と「宇治拾遺物語」からの拔粹で、いざとなれば活字本があるので、安心して讀めます。 

また、高圓寺では、今井源衛著 『王朝文学の研究』 が三〇〇圓。この種の研究書は敬遠してゐるんですが、もくじを見て氣に入りました。

 

歸りは、ちよいと趣向を變へて、高圓寺驛北口からバスで、西武池袋線の練馬驛に行き、そこから、都營地下鐵大江戸線で上野御徒町驛までもどりました。ぐつと遠回りで時間もかかりましたが、料金はかからず樂しかつたです。

 

上野廣小路では、行きつけのとんかつ屋さんが二軒あり、はじめ、たぬき小路にある 〈とん八亭〉 を訪ねたところ驚いてしまひました。今までだつて夕方六時半が閉店ですから、早すぎるなと思つてゐたんですが、今日お店の前に立つたら、営業時間を一一時三〇分~一四時三〇分に變更しましたとの張り紙です。しかも、「売り切れ次第終」 なんて書いてあります。いつたいやる氣があるんでせうか。大名商賣ですね!

 

それで、もう一軒の 〈武蔵野〉 へ行きました。JTBの角から見たらネオンが明るいのでほつとして近づいたら、あれ、違ふ店になつてゐたのであります。が、よく見ると、以前の店は焼き鳥屋に變はつてゐましたが、その脇に階段があつて、〈とんかつ武蔵野〉 とのネオンが輝いてをりました。 

ところが、階段を上がつてみると木製のドアが閉つてをりまして、開けてよいのやら、會員制のクラブかなにかの雰圍氣です。でも、喰ひたいあまりドアを押すと、するりと開いて、いらつしやいませとの女性の聲にほつとして、それでも恐る恐るついていくと、中はレストランにさまがはりした武蔵野さんでした。ひれかつ三粒の定食で一三〇〇圓。味も變はつてゐなくて美味しくいただきましたが、もの憂げなご主人の顔が見られなくなつてちよいとさびしい。 

 

今日の寫眞・・高圓寺北口バス停と大江戸線車内。それに、〈とん八亭〉と〈とんかつ武蔵野〉さん。