正月十四日(日)丙午(舊十一月廿八日 晴

 

今日の讀書・・今日は、朝寝坊に晝寢もしてしまつて、『源氏物語』 どころではありませんでした。それでも、橫になりながら、島内景二著 『源氏物語ものがたり』(新潮新書) を讀みつづけ、そして讀了することができました。 

これはすばらしい本です。とくに 『源氏物語』 を讀む者にとつては必讀でせう。源氏物語が書かれてから、歴史上どのやに讀まれてきたのかが、今日ぼくたちがどう讀んだらよいのかにつながる問題といふか課題を含蓄してをりまして、視野が一氣に廣がる思ひです。原文を讀むのに疲れたとしたら、骨休めにでもいいから、讀まれたらいいと思ひます。

 

書いた紫式部をはじめとして、藤原定家、四辻善成、一條兼良、宗祇、三條西實隆、細川幽齋、北村季吟、そして本居宣長。まあ、アーサー・ウェイリーさんは別格として、これら、ぼくもすべてお名前は知つてゐましたけれど、それが一氣にすべてつながつたのには、自分ながら驚きです。 

宗祇なんて、ぼくは興味があつて、『宗祇作品集』 から、『宗祇序説』、『宗祇旅の記私註』、それに 『連歌師と紀行』 など(多くは一〇〇圓とか、數百圓の廉價本)を求め、今か今かと出番を待つてゐたのですが、みな肩透かしです。宗祇と 『源氏物語』 の關係について書かれてゐるものは、小西甚六著 『宗祇』 でちよいと觸れてゐるくらゐで、皆無といつていい。それが、この書では、實に詳しく書かれてゐて、なに、『源氏物語』 を抜きにして宗祇は語れないぢやあないか、といふことなのであります。 

その他の方々については、讀んでのお樂しみにしておきませう。 

 

今日の寫眞・・朝刊切り抜き、と、今日も飛ぶ飛ぶ猫パンチ!