正月八日(月)庚子(舊十一月廿二日 曇天のち雨

 

今日は母がデイサービスで出かけたので、妻とともに上野に出、東博(東京國立博物館)を訪ねました。月曜日がデイサービスですが、ふだんは博物館や美術館は休館日。幸ひ今日は祝日でしたので、訪ねてみる氣になつたのでした。 

まづは腹ごしらへ、上野サイゴーサンでねぎしの牛たんをいただきました。牛たんはねぎしに限るね、といつも妻と話してゐましたから、時間をかけてゆつくりといただくことができました。ふと、となりをみると、いやそれも兩隣りですが、男性も女性も麦飯をお代り、それも大盛りです。まあ、あきれて顔を見合はせてしまひました。

 

東博前の廣場はパンダパンダで大騒ぎ。その脇をすりぬけて博物館へ。ぼくと一緒だと無料になるのでそろつて入りましたが、そのあとすぐ解散しました。訪ねるところ、見るところはまつたく違ふし、心のあり方が問はれるやな出會ひの場には獨りが一番。ぼくは、ただ、新春特別公開の國寶、『古今和歌集(元永本)』 を見たいだけでしたので、そのまま歸宅しました。 

早く、『源氏物語』 が讀みたいからでした。昨日は來客で時間がつぶされ、今日はまた外出。豫定通りに讀めるかどうか心もとないからです。 

 

ところで、昨日、一條兼良の 『花鳥餘情』 讀みはじめましたが、いやいや考へたら、ぼくのやうな素人が讀むやうなものではありませんね。難しいどころか、定家の 『奥入』 もさうですが、著者がなにを問題にして書いてゐるかが分からないと振り回されるだけです。そこまで専門的に研究しようなどとは思つてゐませんので、せつかく作つた「源氏勉強表」ですが、素人用に訂正したいと思ひます。

 

で、今日は、早々に歸宅したので、『源氏大鏡』 の〈若紫〉を讀み上げて、さらに〈紅葉賀〉〈花宴〉。『源氏小鏡』 の〈若紫〉〈紅葉賀〉〈花宴〉の三卷を讀み上げることができました。「表」の空白部分が埋つていくのは快感です。まあ、ダイジェストですから、原文の面白さは激減してをります。それは分かりきったことですが、それでも、この卷はこんな内容だつたといふことが繰り返されますので、多少は身についていくのではないかと思ひます。 

このぶんだと、繼讀中の、「紫上系」〈賢木〉の卷に追ひつくのもわづかでせう。さうなつたら、原文とダイジェストを竝行して讀んでいけます。

 

これは、ここに書くべきかどうか。あまりにも恐ろしいので、ちよいとだけ記しておきます。明治維新後、人でなし政治家と軍人を生み出した長州と、A級戰犯の祖父、岸を誇るアベが、その正體を顯はにしました。あの長州のテロリスト、吉田松陰を持ち出して、憲法改惡を正當化しはじめましたのであります! これがどういふ意味をもつてゐるかよく考へてみませう。 

 

今日の寫眞・・七十歳で亡くなつた星野仙一さん。ぼくは子どもの頃に、三十までしか生きられないと言はれて育てられ、そのおかげで勝手氣ままな人生を送らせていただきましたけれど、それが若死にどころか、古稀希なる年齢まで生きつづけてゐます。感謝といふしかありませんが、星野さんにはもつと生きてほしかつた。ぼくの命を縮めてまでも、とは言へませんが。 

「源氏勉強表」初公開! ねぎしの牛たん。 

東博に初詣。それと、新春特別公開といふ、國寶 『古今和歌集(元永本)』。小野小町の歌が讀めたのには我ながら感動してしまひました!