二〇一八年正月(睦月)一日(月)癸巳(舊十一月十五日・元日 晴

 

今日は元日。いつもと變はらない、けれども靜かな朝を迎へました。ただ、まあ、妻手製のおせちとお雑煮がいただけたので、どうにか新年を迎へたのかなあといふ氣分になりました。それと、一枚も出さないのに、年賀状が十數枚屆いたことでせうか。これには毎年まゐります。 

一九九四年、南伊豆の山に隱つたときから年賀状をやめ、氣分としては隱棲したはづだつたのですが、都會生活にもどるや否や、世間の風はもろに襲つてくるものです。それでどうするか、正念場を迎へてゐます。 

 

で、新年早々の讀書ですが、『源氏物語忍草』 を〈桐壺〉からを讀み出しました。たしかに讀みやすく、しかも他のダイジェストにくらべると物語の筋が追へるので、源氏の内容を理解するにはずつとすぐれてゐると思ひます。 

しかし、どういふ譯か、はらはらいらいら、もう好い加減にしておくれと言ひたくなるねばねばしさがないと、どうして讀んだ氣にならないのでせうか。早く讀めればそれにこしたことはありませんが、どう考へても、式部さんは讀者を物語の中に搦め取らないと氣がすまないやうなのでありますね。大河ドラマも眞つ靑であります。 

 

それで、「紫上系」(十七帖)のうちの、〈桐壺〉と、〈若紫〉と、〈紅葉賀〉の途中まで進んだところで、午後からは散歩に出ました。年賀状をくださつた、八十歳を迎へた方が、毎日一時間は散歩してゐるなんてあつたものですから、ここのところ胡座をかきつぱなしの状態なので、先輩を見倣つて歩くことにしました。 

ちやうど欲しい物があつたので、上野に出、もちろん京成電車でですが、ヨドバシカメラに行きました。元日からお商賣、繁昌してゐました。コードレスのマウスと、絹目調のプリント用紙を求めました。久しぶりだつたので、ポイントはためておきました。 

それから、上野の山に上り、公園をぶらぶらしてもどると、西鄕さん(註)の向こうのビルから滿月が昇つてくるではありませんか。少し右にはスカイツリーも見えます。カメラを出し、何枚もシャッターを切つたことは申すまでもありません。 

しかし、歸宅して暦を見たら、明日が「望」でした。でも、きょうが舊暦十五日なんですけどね。歩數は、四三〇〇歩でした。 

 

註・・今度はじまるNHKの大河ドラマ「西鄕どん」は、地元では、「せごどん」と發音するやうです。

 

今日の寫眞・・我が家のおせち料理。と、西鄕どんと滿月イブとスカイツリー。