十月廿三日(月)癸未(舊九月四日・霜降 風雨後晴

 

昨日につづき、今日は、何を持つて行くかで惱みました。 

第一は、持病の藥。次は、カメラと携帶電話とそれぞれの充電器。これらは旅の必需品であります。 

問題は本類です。第一は地圖。『ライトマップル 京都府道路地圖』 と 『大きな字の地圖で京都を歩こう』、この二冊は手あかがつくくらゐ持ち歩いてきました。書き込みもはなはだしくて、今までどこを訪ねたか、また、行きたいところであるか、一目瞭然の地圖であります。

 

それと、今回は、『源氏物語』 にちなんだところも訪ねたいと思つてゐるので探したら、『源氏物語の旅』、『源氏物語を歩く』、『源氏物語五十四帖を歩く』、『源氏物語を行く』 といふ參考書が出てきましたが、これらは、今回のぼくの歴史紀行には直接には結びつきません。まあ參考ていどにのぞいて見ることにします。

 

また、二泊三日ですから、さう讀んではゐられないと思ふので、一、二册にしておきます。選んだ結果、中央公論社の 『コンパクト版 日本の絵巻() 餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻』 にしました。これは、二日目に訪ねる、京都國立博物館の「國寶」展に出品されてゐる作品で、「業火の燃えさかる地獄の凄惨な情景を活写する『地獄草紙』ほか、六道の諸相を描く代表的名品を収録」といふ本です。これには、繪とともに、くづし字の文も描かれてゐるので勉強にもなります。もちろん國寶の現物にもお目にかかりたいものです。 

それと、古典文庫の 『十帖源氏』 をばらした小册子を持參しませう。内容は、「きりつほ・ははきき・うつせみ」です。 

最後は、陵墓探索には不可缺の、中公新書の 『歴代天皇総覧』 と 宮内庁書陵部の 『陵墓要覧』 の二册です。

 

以上、着替へなどといつしよにリュックに入れれば完了です。それに、明日からは晴れるやうです。そしてなによりも無事に歸りたいです。 

 

今日の寫眞・・旅に持つていく本二册。それと、先日求めた、水野南北の関連書、神坂次郎著 『だまってすわれば 観相師・水野南北一代』(新潮文庫) と、同じ著者の 『藤原定家の熊野御行』(角川ソフィア文庫)。後者は、いつ讀めるだらうかと待つてゐたので、そろそろ出しておきませう。