十月十日(火)庚午(舊八月廿一日 晴、暑い

 

今日は、『日本紀略』 で硬くなつた氣分をほぐすために、東京散歩に出かけてまゐりました。 

《東京散歩 じゆんの一歩一》 その第十三回目です。 

まづは、ガイドブック 『東京山手・下町散歩』(昭文社) による 《東京散歩》。〈コース番號13〉です。全120コースですから、先は長い。これもライフワークと言へるでせうか。 

さてさて、コース名と内容にはかうあります。「東京探検 荒川水遊び 都電荒川区役所前駅~都電三ノ輪橋駅 荒川公園、荒川自然公園、天王公園と水に親しめる公園をまわる。水辺だけでなく、四季の花が咲く荒川自然公園が中心となるので、自然を堪能できるコースになっている。〔所要〕2・5時間」。 

と、ありましたので、どんな水遊びかちよいとイメージがわきませんでした。でも、現地を訪ねてみてよくわかりました。が、まあ、子ども、といふより幼兒とお母さんのための憩ひの場といつたところでせうか。 

それで、ゴール後、おそば屋でしたためた、友人たちへのメールがありますので、今日は、それをもつて日記とさせていただきます。ただ、ところどころ、補足や訂正を加へました。 

 

みなさま、おかはりありませんでせうか。今日は氣分をかへて、東京散歩13を歩いてきました。「どうぞどうぞお好きなやうに」と、妻にもまされて出かけてまゐりました。 

京成町屋驛乘り換へで、都電の荒川區役所前驛から、荒川自然公園、と言つても淨水場(今は、「東京都下水道局三河島水再生センター」といふのださうです)の上に人工地盤を造つて設置された公園で、保育園の子どもたちや幼兒をつれた家族づれでにぎわつてゐましたが、大きな池などもあり、木々が繁るなかを縫ふやうにして通りぬけ、隅田川べりに出ました。京成電車のなかからいつも眺めてゐる隅田川ですが、今日は、川邊から電車の行き來をながめることができました。

 

千住大橋をめざしましたが、途中から隅田川を離れ、住宅地のなかの天王公園に出たので、トイレ休憩。たしかに、ここにも水が流れ、幼兒が安全に遊べるやうに配慮されてゐました。雀も水浴びをしてゐました。さらに進み、南千住圖書館の向こうに素戔雄神社の裏口を見つつ、右折すると、古風な煉瓦塀が現れました。「日本羊毛発祥の地」とガイドブックにはありましたが、正しくは、「明治十二年設立、官営の千住製絨所跡」であるやうです。 

そこからは、都電三ノ輪橋驛まではほんのわづかで、まあ一息で説明できてしまふほどの散歩でしたが、それでも、7440歩歩くことができたコースでした。 

 

ただ、途中、時間をさいて見學したのが、円通寺といふお寺でした。ガイドブックに 「寛永寺の黑門を移築」 とあつたので、寄り道して訪ねたのですが、弾痕生々しい寛永寺の眞つ黑い門が、存在感も顕に建つてゐました。また、その門の中といふか、裏に並ぶ彰義隊の墓碑には胸が熱くなる思ひがいたしました。 

で、ゴールしてからいただいたのが三の輪商店街にある砂場の天ざる。これまた美味しいのなんの、といふ具合に、まだどうにか生きてをりますので、これからもお騒がせいたします。 

 

今日の寫眞・・荒川自然公園、隅田川と京成電車、雀が水浴びする公園、古風な煉瓦塀、圓通寺の黑門と弾痕、三ノ輪橋驛、南千住砂場は、「江戸時代に記録がある『糀町七丁目砂場藤吉』が移転して存続したもの。建物は1954年の木造建築で荒川区の文化財指定」