七月十四日(金)壬寅(舊閏五月廿一日 晴、暑い

 

朝、部屋に入るとココが戻つてゐました。ほつとするとともに、このやろうと思ひましたが、そこはぐつとがまん。ラムがゐたときにこちらが心の訓練といふか、忍耐を學ばされたものでした。 

すぐに開けておいたドアを閉め、水と食事を確認。モモタはと見ると、ぼくの文机の上にまるまつたままです。でも、一番喜んだのはモモタに違ひありません。 

昨日一日のモモタの心の不安は、見てゐられられないほどで、ひざ掛けの上でオシッコをしたかと思ふと、ぼくのそばで泣いてばかり。あげくは、いつしよに寢てあげようとして、ベッドからもつてきた上掛けをかけて横になつたとたん、またその上にオシッコでした! 

もちろん叱りませんでしたが、いつしよに寢るのをやめてベッドに入りました。心配で寢られないかと思つてゐましたが、なんのことはない、すぐ寢てしまひました。

 

それで今朝五時に目が覺め、ココを發見した、とかういふわけだつたのであります。愛犬ラムがぼくのもとから離れて歸つてこないなんてことは考へたこともありませんでしたが、そこはネコ。とくにココはもとはノラですからぼくのもとにゐることよりも放浪好きといふか、外の世界が氣になるのでせう。いつも外界との接觸があり、またいつでももどつてくることがわかれば、これほど心配はしないんですがね。 

すぐにお二人さんはからみあつてをりました。それで、今日は家にゐてココの歸りを待つつもりだつたのですが、氣をとりなほして出かけてまゐりました。もちろん、古書即賣展です。神保町の古書會館本部と、五反田の南部古書會館です。また、八木書店二階の古書部にも立ち寄り、『源氏物語』 關係だけでなく、西鄕さん關係などの興味ある參考書を買ひ求めることができました。 

 

今日の寫眞・・朝歸りのココ二枚と、やつと安心したモモタとココ。さいごは、ひとり山に遊びに出て歸つてきたラム(二〇〇八年八月、南伊豆毛倉野にて)。