七月十三日(木)辛丑(舊閏五月廿日 晴

 

今日の讀書・・今日も、『源氏物語』、「若紫」の卷を讀み進みましたが、氣が氣ではありませんでした。朝、書齋に入つてみると、ココがゐなかつたのです。あちこち本棚や本の隅々まで探りましたがゐませんでした。妻にも應援をたのんで探したら、臺所の窓の網戸があいてゐて、そこから脱走したやうなのです。ゆるかつたので自分であけたのでせう。でも、二階です。飛び降りるにしたら相當な高さですが、すばしこいココのことですから、難なく降りられたに違ひありません。

 

ですから、今日は、外階段のドアをあけて、いつでも入れるやうにしておきました。が、すでに夜の十時過ぎ。はじめての脱走のときは八時ころ歸宅したのですが、今回は遊び仲間ができたのでせうか。ときおり出窓で網戸ごしにノラと會つてゐましたから、誘はれたのかも知れません。食べるものや水は、不自由しないですむでせうが、歸つてきてくれるのかどうか、それが心配で心配で眠れさうにありません。

 

また、今日からお盆。夕方、玄關前で、母と妻と三人で「迎へ火」を焚きました。まあ、母が存命のうちはやらないわけにはいかないでせう。でも、心はココのことばかり。路地にたむろするノラたちに、ココのことを聞いたのですが、みなすました顔。 

 

今日の寫眞・・昨日撮つたココの姿。これが最後にならないことを願ひます。