七月(文月)一日(土)己丑(舊閏五月八日・上弦 曇天ときどき小雨

 

今日の讀書・・今日は、れつきとしたサンドイッチでした。講義をはさんでの古本市めぐりでありまして、まことに充實した一日でした。しかも、〆は、弓道仲間だつた齋藤さんと待ち合はせ、また「かつ吉」で夕食をいただいてしまつて、あたまもからだも滿腹の大滿足。 

最初は、神保町の古書會館。ただ、ここのところ開催二日目の土曜日であることと、せいぜい一時間ほど見て回るだけなので、たいした掘り出し物はありません。ところが、高圓寺の古書會館のはうは、初日といふこともあつて、面白いものが何册か目にとまりました。 

小山敦子著『源氏物語の研究─創作過程の探求─』(武藏野書院)は、序説を立ち讀みしはじめたらとまらなくなり、近ごろ興味再燃の、小野忠重著『司馬江漢 江戸の西洋画士』(新日本出版社)。三册めは、森内俊雄著『真名仮名の記』(講談社)。これは、帶に、「〈書〉をめぐる魅惑の宇宙 命のごとき墨を磨り硯の響きに永遠を聽く 筆を索めて人に逢い己と出会う 珠玉の連作短編集」 などと書かれてあつたので求めてしまひました。が、いづれも一册三〇〇圓。 

 

さて、學習院さくらアカデミー、《源氏物語をよむ》 も第九回を迎へました。『源氏物語』 「桐壺」の卷、「靑表紙本」で、三七頁から四〇頁まで。物語の筋はともかく、文法や語法の解説や質疑がかはされると、どうしても時間を食つてしまひます。でも、基本的なことですから、今後獨力で讀んでいかなければならないことを考へると、貴重な學びであると思ひます。 

次週でこの講義は終りますが、先回豫告があつたやうに、八月には、特別講座 《源氏物語の引歌について学ぼう》 の四回連續講義が行はれます。丸谷才一さんべたほめのテキストが題材で、伊東先生ご専門のところですので、十分に豫習といふか、準備をして臨みたいと思ひます。 

 

夜、眠氣とたたかひながら、柴田錬三郎著 『無念半平太』 を讀み終へることができました。つづいては、『隠密利兵衞』 です。 

 

今日の寫眞・・昨日夕食後いただいた、お初のぶどう。高圓寺古書會館。ガレージはほぼ一〇〇圓均一のたたき賣り。本會場は建物内です。