六月十三日(火)辛未(舊五月十九日 曇りのちときどき雨

 

今日は人生初の、齒醫者さんのはしごをいたしました。歩いて一分の靑島さんと西新橋の慈恵大學病院です。今朝の靑島さんで、治療は終はつたのですが、豫約してゐた慈惠大にもその報告をしなければならなかつたからです。慈恵大のはうは、緊急性があればいつでもいらつしやいと言つてくれてゐるので、たいへん心強いしありがたいことです。 

それで、日比谷公園の野外音樂堂で行はれる「市民集会」まで、どこへ行こうかと惱んだすゑ、町田に行くことにしました。そこで馬刺しを食べ、その足で日比谷公園に向かふ事にしたのであります。まあ、病院から歩いてもさう遠くはないところにある公園ですけれど、まづは體力づくり、馬刺しをめざして町田まで行つてきました。 

 

はじめ、千代田線經由、小田急で行こうかと思ひましたが、神保町驛まで來たら、ちやうど都營新宿線の橋本驛行きがホームに入つてきたので、飛び乘つてしまひました。橋本驛からJR横濱線に乘り換へればすぐ町田驛です。ところが、橋本驛で、ホームに降りたとたん、目の前が暗くなり、しばらく柱にしがみついてゐました。家で氣絶したときには、氣がついたら倒れてゐましたから、氣をつけてはゐたのですが、意識はありましたので、倒れずにすみました。 

さらに、町田の高原書店で本を漁つてゐたら、またくらくらつときてしまつたのであります。まづいと思ひましたので、しばらく喫茶店で休憩し、小雨降るなか、四時開店の柿島屋をめざしてゆつくりと足を運びました。ここをはづすわけにはいきません。何のために生きてきたのか、いや、町田にきたのか意味がなくなつてしまふではありませんか。

 

四時に入つたのははじめてですが、すでに何人も着席してをりました。久しぶりの馬刺しです。齒も治りましたし、よく噛みしめて味はひました。旨い。それでも、ついつい思ひ出されるのは會津の「藏の店」ですね。くらべても仕方ありませんので、美味しくいただきました。 

それで、「市民集会」ですが、どうも自信がなかつたので、霞が關驛を素通りし、眞つ直ぐに歸宅しました。はたして、何のために町田まで行つたの、反省してゐます。 

 

今日の讀書・・今日は、昨日見つかつた、文庫本の 『仏教説話の世界』 を持つて出かけました。長時間電車のなかで過ごしたので、だいぶ讀むことができました。第一部が、〈三井寺・泣不動説話の伝承〉で、「泣不動の伝承と空也周辺」、「『寶物集』諸伝本に見る泣不動説話の流動」、「『曾我物語』の泣不動説話について」、そして、「『安倍晴明物語』に関する考察」などの論文です。凝縮されてゐるのでありませう、だいぶわからないところがありました。 

 

今日の寫眞・・柿島屋の馬刺し。もちろん、會津の「藏の店」には負けてしまひますが、東京近邊ではここしかないのでせうか? 二、三枚目は「藏の店」の馬刺しと櫻壽司。 

今日は、 ちやうど一年前、モモタが我が家にやつてきた記念日です。やつてきたといつても、雨にうたれてずぶ濡れになつてゐた孤兒(みなしご)を引き取つたやうなあんばいでありまして、まさかネコを飼ふなんて思つてもゐませんでした。それが、今では、我が書齋のマスコツト! モモタから二週間おくれてやはり引き取つたココとともに仲よく過ごしてをります。