四月廿二日(土)己卯(舊三月廿六日 曇り夕方から雨

 

今日の讀書・・「源氏物語をよむ」の講座がはじまりました。昨夜は、與謝野晶子譯の『全譯 源氏物語』(三笠文庫) の「桐壷」を讀み通しましたし、「原文」も徐々に讀み進んでゐます。讀むだけであれば、原文と譯文と註釋(參考書)を組み合はせて進んで行けばいいのでありまして、この上に講義を受ける必要があるのか、それは受けてみないとわかりません。 

それで、講義は午後一時からなので、午前中は古書會館の古本市にでかけました。「ぐろりや會」の出品です。そこでは、州之内徹の「氣まぐれ美術館」の後半三册(『人魚を見た人』、『セザンヌの塗り殘し』、『さらば氣まぐれ美術館』)、それと、捜索中の 『馬琴日記』 の第四卷を見つけました。

さらに八木書店の二階を訪ねたら、待つてゐましたといふがごとく、顔なじみのお兄さんが、『首書源氏物語』を出してくださつたのであります。ぼくは以前參考のために一册だけ、〈末摘花〉だつたかを三〇〇圓で求めたことがありましたが、なんと、〈玉蔓〉までの十六册を、結局送料も含めて一五〇〇圓でいいといふのであります(ちなみに、定價は一册だけで一五〇〇圓)。いやあ、感謝でした。幸先よいスタートです。 

 

神保町からは三田線で巣鴨驛經由、目白驛前で晝食。余裕をもつて學習院大學の西門から入りました。はじめて入る大學です。ちよいと遠回りをしながら講義を受ける「南1號館」に向かひました。古びた有形文化財風の建物です。 

さて、「源氏物語をよむ」の講義ですが、講師は、伊東祐子先生(奇しくも伊東玉美先生と同じ苗字!)。そして、受講者は、ぼくを含めて男女四名づつの八名でした。たつた八名なのか、八名もなのかは判斷の仕樣がありませんが、受けやすいことはたしかでした。 

たしか、テキストは、新編日本古典文學全集『源氏物語(一)』(小學館)のはづでしたが、先生ご自身は、舊編をお持ちで、お話もそれにもとづいてなされてゐました。これはしめたものです。ぼくは、全六册二〇〇〇圓で求めた舊編の古本を、〈帖〉ごとにばらして使ひはじめてゐたので、まあ、新編は無駄になつてしまひますが、携帶便利の分册を用ゐて學ぶことができます。 

で、内容ですが、結論は言へませんが、註釋書や參考書とあまり變はりませんし、聲も小さいし・・・、まあ、質疑應答ができるのが樂しみですかね。 

 

歸宅して、しばらくすると、マリちやんと夫の日又君、それに新大學生のさとちやんが來訪、一緒に食事をしてお話しました。お父さんが元氣のうちに、例のモツを食べに行かなくてはと思ひました。 

 

今日の寫眞・・學習院大學西門。

キャンパス内に建つ〈標べ石〉(我が『東京山手・下町散歩 120コース収録』(昭文社)の地圖に、「標べ石 左ぞうしがや・右ほりのうち道」とあつたので訪ねてみました)。野邊の道がキャンパス内に取り込まれたのでせう。

さくらアカデミーが行はれた「南1號館」。出てくる人出てくるひとみなぼくと同年代! 

放課後、都電荒川線の學習院下驛から町屋驛經由で歸宅しました。