三月十日(金)丙申(舊二月十三日 晴

 

今日は妻と 《東京國立近代美術館工藝館》 に行つてまゐりました。千代田線大手町驛乘り換へ、東西線竹橋驛下車で、北の丸公園の西の端に建つ、舊近衛師團司令部廳舎の建物がそのまま美術館に變身したところであります。 

現在、〈所藏作品展 動物集合〉(2017.2.28-5.21) が開催されてゐて、妻のご所望で出かけてきたのでありますが、まあ、すばらしい作品ばかりで、特に、うづらの水滴なんて、欲しくなつてしまひました。また、鈴木長吉といふ作家の 「鷹」 の作品はものすごく精巧で、近寄つて唸りながら見てゐると、係の女性に、白線より中に入らないでくださいと注意されてしまひました。 

あとで調べたら、この長吉さん、やはりただものではありませんでした。

 

「鈴木長吉はこの作品のために実際に鷹を飼って写生を繰り返し、制作に3年の歳月を費やしました。江戸時代に発達した高度な金工技術を駆使し、様々な姿の鷹をいきいきと見事に表現しています。この作品は、1893(明治26)年に開催されたシカゴ万国博覧会に出品するために制作されました。」

 

とありましたものね。嘉永元年(1848年)生まれの、大正8年(1919年)に没した金工家であつたのです。 

 

歸りは、お濠沿ひに神保町まで歩き、ちよいと早かつたのですが、例の、成光さん でラーメンをいただいて、それからは別行動。でも、なんだか疲れたので、ぼくはすぐに歸宅しました。 

 

今日の寫眞・・《東京國立近代美術館工藝館》(重要文化財(建造物)舊近衛師團司令部廳舎)。鈴木長吉作品の「鷹」 と ネコの蒔絵。雉子橋。