十二月廿一日(水)丁丑(舊十一月廿三日・冬至・下弦 晴

 

將門紀行 現地探訪

 

今日は、《將門紀行》 の本番、現地探訪の旅に行つてまゐりました。すでに、〈前口上〉 と 〈前哨戦〉、竝びに 〈紙上の旅〉 までおこなつてをりまして、なんだか知りくした感が無きにしも非ずですが、やはり、平將門の人生が存在したその地に立つことを思へば、身が引き締まるといふか、わきあがる感動を禁じ得ないのでありました。 

それで今朝、だいぶ早く目が覺めてしまひ、準備をしつつ、集合場所と時間を確認しました。そこで、ふと、はじめの豫定であつた、北千住驛からつくばエキスプレスを用ゐる經路を變更し、關東鐡道常總線の始発驛である、常磐線取手驛から石下驛まで向かうことにいたしました。すると三〇分ほど早く出發しなければなりませんでした。

 

さう、取手驛はいつも通過ばかりで降りことはありませんでした。もちろん乘り換へたこともありません。今日はその初體。常總線は氣動車でありまして、ゴルゴルゴルとエンジンをふかしての發車です。懐かしいといふか、久しぶりといふか、はるか遠くへつれていかれる豫感にぼくは、先頭車輛の、といつても二連結の列車でしたが、その車窓にしがみついて氣分はもう子どもにかえつてしまひました。 

取手驛から水海道驛まではゆつたりとした複線でしたが、そこからは單線でした。はじめて見る景色とともに、ゆめみ野、稻戸井、戸頭、小絹なんていふ、優雅な驛名にうつとりしてゐると終着、水海道驛に到着し、そこで大塚さんと落ち合ひました。 

つづく下館驛行きの列車に乘り換へ、中妻、三妻を經て石下驛に到着。筑波山は廣々とした關東平野のかなたにぼんやりと姿を見せてゐましたが、石下驛に到着する寸前にあらはれた城跡なんでせうか、明らかに新築されたお城にはびつくりしてしまひました。どうにかカメラにおさめることができましたが、まさか、將門がらみではないでせうね? 

まあ、どうせ訪ねる豫定もありませんので驛に降り立ち、下館驛經由でこられた川野さんと合流いたしました。(つづく) 

 

今日の寫眞・・取手驛常總線ホーム。常磐線との分岐點。つくばエキスプレスと交差する守谷驛。水海道驛ホームにて。關東平野に霞む筑波山。筑波山と異樣なお城。