十二月(師走)一日(木)丁巳(舊十一月三日 晴

 

今日の讀書・・このごろ、パソコン作業を、デスクトップパソコンではなく、文机の上で、ノートパソコンを使用してゐます。それで、どうも作業がりがちであります。舊字舊假名變換がスムースにいかないことが第一ですが、畫面も文字も小さいので、大きい畫面と文字になれてきた我が身、ではない、我が目にとつてはいささかハンディキャップとなつてをります。 

といふのは、我がモモタ君が、どうしてもぼくの膝の上にあがりたくて、ピーピーうるさくて、仕事になりません。それで、文机での作業にしたのですが、案の定、膝に寢くるまつてたいへん靜かにおねんねしてをります。 

まあ、このはうが周りに本をならべて廣げるのには都合がいいことはたしかなので、暖かい子猫二匹のぬくもりを感じながら悦に入つてゐます。 

ノートパソコンはウインドウズ7なので、使ひなれてはゐるんですが、デスクトップのはうを主にしてゐるためなのか、アマゾンで本を注文しようとしたら、パスワードがどうのかうので、入つていけませんでした。それで、メールもさうですが、送信はすべてデスクトップでやろうと思ひます。メールの送信の場合は、送つたパソコンだけにしか記録されないので、兩方使つた場合混亂することが分かつたからです。 

 

さあ、たうとう平門さんに取り組む時期がやつてきた、といふか期が熟してきたといふべきなのでせう。資料だけでも集めておこうと思ひはじめてすでに十數年。ここいらで本腰を、いや半腰くらゐでも入れたいと思ひます。 

ですから、『日本紀略』 は中、しばらくお別れです。まあ、『蜻蛉日記』 は讀み終はらせるつもりですけれど、ちよいと枝葉的歴史探訪に寄り道することにします。 

 

それで、まづは、昨日から讀みはじめた滝沢解著 『空也と将門』(春秋社) ですが、讀んでゐて、前提となる知識に缺けてゐることに氣づいたので、今日は、小説類も引っ張り出してきて、手つ取り早く調べることにしました。 

幸田露伴の 『門』(春陽堂文庫) と、大岡昇平の 門記』(中公文庫) は二〇〇九年に讀んでゐることが分かりましたので、再讀が必要とは思いつつ、今日は、菊池寛の 『平門』(『日本武将譚』所収・文春文庫) と、海音寺周五郎の 『平門』(縄田一男編『人物日本の歴史 古代中世編』所収・小学館文庫) と、武光誠の 『地図で読む日本古代戦史』(平凡社新書) から「第七章 平将門の乱」の章を讀みました。

 

海音寺周五郎さんの 『平門』 は、大著 門』 の「ダイジェスト版」と書いてありましたが、たしかに要領よくまとめられてゐます。川野さんとの 「門紀行」 を考へてゐますから、茨城の地圖を傍らに讀んだのですが、そこで、はじめて、「門の邸址」を發見しました。地圖には、「将門公苑」と記されてゐるところがさうだと思ひます。關東鐡道常總線の石下驛から西に、鬼怒川を渡つたすぐ近くです。探訪の足掛かりを見つけたやうで、ちよいと感動しました。 

ただ、探訪コースや場所は、川野さんが調べてくれてゐますので、いづれすり合はせをしたいと思ひます。 

 

ところで、あらためて出してきた本のなかに、『古代争乱資料大成 平将門記』(確定史料保存会編 日本シェル出版) といふ、なんだかいかがはしい装釘の本なんですが、必要と思はれる史料が網羅されてゐるのです。これは便利かも知れません。 

いやあ、文が多すぎて、何から讀んでよいやら、うれしい悲鳴がをあげてをります。 

 

今日の寫眞・・讀みだした『空也と将門』と、すでに讀んだ幸田露伴の『門』と大岡昇平の『將門記』。それと、今日讀んだ三册といかがはしい一册。