十月卅日(日)乙酉(舊九月卅日 曇天

 

今日の讀書・・黒川さんの 『国境 上』 につづいて、『国境 下』 も讀み終へましたので、ここで一息。『蜻蛉日記 中』が中途半端でしたので、今日は集中して讀み上げました。 

ただ、くづし字の文字面は讀めても、注釋書を見ながらでないと、内容はちつとも分かりません。まるで外國語を讀んでゐるやうです。どのくらゐ時代が下つたら、意味が分かるやうになるのでせう。それまでがんばりたいと思ひます。 

でも、今までに讀んだ寫本・影印本でいふと、『伊勢物語』や『竹取物語』、それに『土左日記』などは、この『蜻蛉日記』ほどむづかしくはありませんでした。きつと、『蜻蛉日記』は、個人的な記録(日記)であつて、自分だけが別ればいい文章なんでせうね。他人に公表する意志のある文章であれば、これほどむづかしくはないのだらうと思ひます。 

『徒然草』や『方丈記』、芭蕉の紀行や上田秋成の『雨月物語』や『落し咄』などは、讀みながらほぼ内容が把握できましたから、自信をなくさないで讀みつづけたいと思ひます。 

それで、一休みできたので、また黒川さんのノンストップハードボイルドアクションストーリー、「疫病神シリーズ」の大三彈、『暗唱』を讀みはじめました。 

 

今日の寫眞・・一氣に讀んだ、黒川博行著 『国境 上下』 (文春文庫)。