六月十八日(土)辛未(舊五月十四日 晴、暑い

 

今日の讀書・・今日は橫にならずに讀書ができて、どうにか『大和物語』を讀み終はらすことができました。三月二十九日から讀みはじめたので、およそ三ヶ月かかりました。しかし、二〇一三年に一度試みて、八十八段まで讀んでゐたのですが、〈中仙道を歩く〉の途中でもありましたし、その必然性が弱かつたからでせう。その時は頓挫しましたが、たうとう讀み終へて、次の段階に進むことができます。 

解説によると、本書は、『大和物語』の最古の版本で、「慶長元和中刊古活字版十一行本第一種(イ)種本」といふ、長たらしい形容の本です。さらに、「一般的にいって、古活字版『大和物語』の本文は、通行の群書類從本よりも、より多く古態を存し、この第一種(イ)種本は、わずかの誤植を別にすれば、古活字版また、流布の整版本中でも最も正確で、十分信賴に値する」、といふものであるやうです。 

つまり、その他にもたくさんの寫本等がある中で、信賴度は光一(ぴかいち)のやうなんです。たしかに、ほとんど躓かずに讀み通すことができましたし、くづし字も讀めるやうになりました。まあ、内容は、男と女の話なので、ぼくにはとても勉強になりましたです。でも、歌が詠めないと難しさうです。もしその時代に生きてゐたら、歌がにがてなぼくなんか、齒牙にもかけてもらへませんでしたでせうね。 

 

今日の《平和の俳句》・・「戦ひし皆失ひて竹の子掘る」(八十九歳男) 

〈金子兜太〉 戦争で残るものなんかない。今次大戦でも然り。竹藪が残っただけ。 

 

今日の寫眞・・慶長元和中刊十一行(イ)種本『大和物語』(和泉書院影印叢刊)の冒頭の二頁と、今日のモモタくん。黑いので、どんな寫眞を撮つてもまるでシルエット!