六月十四日(火)丁卯(舊五月十日 晴のちくもり

 

今日の讀書・・今日は讀書どころではありませんでした。モモタロウ改め、モモタと一日中寢轉んで過ごしました。まあ、ちよいと調子がよくないこともありましたが、畳の上に寢轉んで、まどろんでばかりゐました。 

昨日はモモタロウと名づけましたが、どうも呼びずらいので、モモタにしました。そのモモタですが、十日の「日記」」に次のやうに書いた、その子です。

 

「またノラネコです。朝、一匹捕獲して、妻が病院につれて行きました。避妊處置のためです。人なつこい黒猫ですが、路上生活者のやうなのであります。ご近所に生息してゐたのを妻がみつけ、つれてこようとしたら、すでに我が家をねぐらにしてゐるネコたちが、威嚇して追ひ拂ふのであります。 

それで、そのご近所の方にわけをはなして、ねぐらといふか、寢床だけでも置かせてもらへるやうに話してゐるところのやうです。それとも、寅ちやんのかはりに、我が家の二階で飼ふことにするか、思案のしどころです。」

 

思案するまでもなく、ずぶ濡れ姿があまりにも哀れなので、引き取ることにしたのでありますが、よほど可愛がられてゐたか、いや、甘やかされて育つたのではないかと思ひます。寢てゐるぼくのからだにすり寄つてきますし、抱くと甘噛みなんかするんです。 

ただ、真つ黑なので、寫眞寫りがよくないし、表情もよくわからないところがあります。とにかく、ぼくにとつてははじめてのネコ經驗です。樂しみながら育ててみようと思ひます。 

それと、そのモモタが宿つてゐたご近所のご主人は、娘さんのお父さんでせうけれど、ぼくの妹と同級生だつたやうなのであります。お父さんがさう言ふのですからたしかでせう。 

 

いよいよ、書齋擴張工事がはじまりました。壁を貫通させて、隣の間とつなぐ工事です。 

 

今日の《平和の俳句》・・「反戦の一喝春雷轟(とどろ)きぬ」(七十九歳) 

〈金子兜太〉 春から雷。「戦争反対」と叫んでいる。これから雷が殖えるぞ。 

〈いとうせいこう〉 人間の奥底からの言葉が春雷となったか、春雷に怒られたか。両方いい。 

 

今日の寫眞・・お見知りおきのために、モモタの寫眞滿載。