六月四日(土)丁巳(舊四月廿九日 晴、風あり

 

今日の讀書・・『貞信公記』を軸にして、その時代を代表する文學を讀みつつあります。その一册、『大和物語』がぢきに讀み終はるのを見越して、次は『將門記』と思つてはゐるのですが、その前に、もう少し平安時代の雰圍氣を感じ取るために、陰陽師を調べる事にしました。が、參考書が多すぎて困るくらゐで、あまりのめり込んでもいけないので、小説でごまかすことにしました。 

そこに、待つてましたと現れたのが、夢枕獏さんでした。「陰陽師シリーズ」がすでに何册も控へてゐたのです。でも、いきなり讀みはじめてもいいものかと思つてゐると、おなじ夢枕獏さんの『鬼譚草紙』(朝日文庫)といふ、これまた極彩色のエロホン、否、插繪豐かな、しかも内容は、染殿、紀長谷雄、そして、小野篁をそれぞれ主人公とした三つの短編集で、いやあ、すぐに讀み通してしまひました。 

特に、小野篁は、『篁物語』の筋にそつて書かれてありまして、といふより、筋は正しいのですが、それを今日風の物語にすると、こんなにもいやらしくなるものかと、感心してしまひました。 

林望先生が、『古典文學の秘密』(光文社文庫)と言ふ本を書いてゐますが、それは文庫本にする際に改題したもので、もともとは、『本当はとてもえっちな古典文学』といふ題でした。實にまことに、うなづけますです 

 

今日の《平和の俳句》・・「春の雲自由欲しがる母卒寿」(六十八歳女) 

〈金子兜太〉 青春を戦争でダメにした母。いまやっと得た自由は、離しません。 

〈いとうせいこう〉 子供の世話、親の介護が終わったのが八十代だという。自由であってほしい。 

 

今日の寫眞・・今朝の新聞切り抜き。さう、明日は、《6・5全国総がかり大行動》です。ぼくも妻とともに參加豫定です(五月二十九日寫眞參照)。 

今日讀んだ、夢枕獏さんの『鬼譚草紙』(朝日文庫)と、「陰陽師シリーズ」の第一册。 

それと、先日剪定した門柱の上に、ノラのクマドリ君を發見。こんな所にと思へる場所で晝寢の最中でした。耳のカットは避妊處置をした印です。