四月廿九日(金)辛巳(舊三月廿三日 晴、強風

 

今日は急遽、川野さんと鶯谷驛北口で待ち合はせて、書道博物館を訪ねてまゐりました。「書のスケッチ『臨書』の世界」展が開かれてゐて、それで見に行こうといふことのなつたのです。といふか、川野さんが行くといふのを聞いたので、ではご一緒させてくださいと、ぼくのはうから押しかけたんですけれど、中國古代の書の樣々な姿形(すがたかたち)に思はずため息が出てしまひました。見るなら一級品、いや特級品を見なければ本當の勉強にはなりませんと、改めて思ひました。

 

その後、川野さんを案内して銀座の天龍で食事の豫定が、いやはや表の通りまでならんだ人を見たらいつぺんに食欲をなくし、そのまま四丁目の鳩居堂に行きました。そこでぼくはかな書道用の用紙と水滴、ではなく容器から水を汲んで差すための木製の小さな柄杓を求めました。我が家に柿の形をした、本來は調味料入れなんでせうけれど、かな習字用には適した大きさの水入れを見つけたからでした。 

また、三階四階の画廊で行はれてゐた二つの書道展を見學。川野さんと、ああでもないかうでもないと、面白樂しく批評しあひながらも、これもいい勉強になりました。本物の書を見てきたばかりの目ですから、どうしてもぼくたちの意見は嚴しいものになつてしまひましたね。

 

それから、地下鐵を乘り繼いで神保町に出、まづは食事、それから書道關係の古本屋を何軒かはしごしました。祝日のために閉まつてゐる店が多くありましたが、それでも、大雲堂に悠久堂書店など、締めは古書會館で開催中の古本市に行つて、川野さんも何册か求めたやうですが、ぼくは円形で平べつたい硯、金八〇〇圓なりを入手いたしました。 

ちよいと歩き疲れたので、このくらゐにし、ドトールコーヒーに入つて一休み、それでお開きにして、お別れしました。 

 

今日の寫眞・・書道博物館常設展示場にて。書道博物館ポスターと購入した「千字文」トートバッグ。それと、円形硯と木製小柄杓。

 



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