二月九日(火)辛酉(舊正月二日 晴

 

今日は足腰の運動のために外出してきました。外はいい天氣です。まづ、電車を乘り繼いで池袋に行き、西武デパート別館で今日からはじまつた《古本まつり》を訪ねました。 

二十二の古本屋さんが一堂に會しての開催です。が、求める本は非情に少なくてちよいとがつかり。それでも、例の書論双書の一册、『書論双書1 梧竹堂書話』と、篠田桃紅さんの『その日の墨』(新潮文庫)、それに『ウイリアム・ジェイムズ著作集7 哲学の諸問題』(日本敎文社)を見つけました。 

ついでにジュンク堂書店によつてみました。三階の日本古典文學のコーナーには眞新しい本がずらり。あたりまえですが、高價過ぎてぼくの手に負へないものばかりです。それらを眺めやりながら、はたして小松英雄先生の批判に耐えられるものはどれだけあるんだらうかと思つたら、なんだかみな色あせて見えてきてしまひました。困つたものです。 

ジュンク堂を出て、回轉壽司で腹を滿たし、そこからはじめての地に足を向けました。先日テレビで紹介してゐた、〈自由学園明日館〉を見てみようと思つたのです。住所は目白で遠いかなと思つたんですが、なんの西池袋でした。當然に池袋からのはうが近くて、大きなガード(通稱ビックリガード)をくぐつて住宅街に入つたらすぐでした。 

廣い庭への入口のそばに、 

「重要文化財 自由学園明日館 羽仁もと子・吉一夫妻創立の自由学園校舎として大正10年(1921)から昭和2年(1927)にかけて建設されました。設計はアメリカの巨匠フランク・ロイド・ライト氏および遠藤新氏です。平成9年(1997)国の重要文化財に指定され、約3年の歳月を費やし保存修理が行われました。中央棟、東西敎室棟および道路南側の講堂からなっており、ウイスコンシンの大平原を舞台としてライトが発想した草原住宅のたたずまいが特徴となっています」と、木製の看板に書かれてありました。 

「明日館」は、「MYONICHIKAN」と讀むやうです。 

その中央棟ですが、實にご立派な建物です。禮拜にも使はれたやうです。でも、外から見ただけでそのまま通り過ぎ、西池袋公園を貫いて、立教通りにある夏目書房と八勝堂書店を訪ねました。 

また、その道路下に、新しくできた地下鐵副都心線の驛があることを知り、乘車して西早稻田驛下車、次いで、早稻田通りを歩きました。神保町に比べたら、火が消えたやうな淋しさです。が、五十嵐書店さんはご立派。東京古書會館の古本市にも出品されてゐるんですが、ぼく好みの影印本なんかをたくさん出してくれるので、いいお得意さんです。 

途中でよして、バスを待ちました。上野公園行きバスが出てゐるからです。妻には京成上野驛から乘つて歸るよとメールで傳へたんですが、湯島を通ることを思ひ出し、あわてて下車して千代田線に乘りかへ、歸路につきました。 

まあ、散歩とは言へないかも知れませんが、歸宅して萬歩計を見たら、それでも七三八〇歩でした。 

 

今日の寫眞・・古本まつりのビラ。自由学園明日館。早稻田通りの五十嵐書店。湯島天神前で下車。そして、今日の切り抜き二枚。