十二月六日(日)丙辰(舊十月廿五日 晴

 

まだまだベッドから離れられず、うとうとしながら、まあ、それでも讀書三昧の一日でした。右に寢返ると 『おらが春』 、左に寢返ると 『昭和ミステリー大全集 ハードボイルド編』につづいて 『講談 大久保長安(下)』 がいやでも目に入ります。壁に斜めに下げてあるので、手は頁をめくるときだけ出せばいいので、寒くありません。俳句や和歌の本など、口ずさみながらそのまま眠つてしまふこともしばしば。

その外に、影印本の『落し咄』と、『中納言家持卿集』がぶら下がつたまま。讀んだところまでいつも開いてゐます。さう言へば、今家持さんの上に一茶さんが横たはつてゐるんですが、同じ筆字でも、かうも違つていいのかと思ふくらゐ文字の姿形が異なつてゐるんです。

さすが家持さんの文字には品がありますし、くづしが一定してゐますから、頁が進んでも一目で、あの字だなといふのが分かります。ところが、一茶さんのは、あれ、これは、見たことありさうだけれども、いや、分からない。或いは、これはあの字だなと思つて讀むと、ぜんぜん別の字だつたといふのが多いのであります。それに品がありません。手本にするなら家持さんに軍配です。もちろんどなたが筆をとつたのか、それはわかりません。まあ、一茶さんのは、たぶん自筆ではないかと思ひますが、かう言つたら偏見や差別だと騒がれるかも知れませんが、田舎つぺの文字といふしかないです。はい。

 

今日の寫眞・・今日の切り抜き。ブンゴとモモちやん。それと、家持集とおらが春の文字の違ひ。

 


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