十月十日(土)辛亥(舊八月廿日 曇り

 

ラフォーレ修善寺にて。朝のうちならば、見のがすことのない富士山ですが、それもほんの一時で、以後、今日は見ることができませんでした。

もちろんお仕事は丁寧に、心をこめて行ふことができました。花嫁は地元の保母さんで、式に九十名、宴には一六〇名のお客さんで賑はいました。

歸路、接續時間がよかつたのか、家には三時頃着いてしまひました。まあ、夕方まで横になりましたけれどね。

さう、昨日送つた本がすでに屆いてゐて、ぺらぺら頁を開いてはにんまり。昨日書いた三册の他に、松戸市立博物館古文書講読テキスト「近世文書講読資料」といふのが何册も出てゐて、その中から購入した、中江藤樹著『文武問答・羣書類從四百九十四』、『童子早学問・辯道書』、『隅田川往来并八景詩歌・諸職往来』の三册が入つてゐました。みなくづし字の影印本です。

ところで、『文武問答・羣書類從四百九十四』の後者は何かと詳しく見たら、書論書三部作の、「夜鶴庭訓抄」と「才葉抄」と「入木抄」なのでした。日本習字普及協会の書論双書は、影印の文字が小さ過ぎて擴大鏡なしには讀めなかつたんですが、羣書類從は、とにかく大きい字で讀み易い。偶然だとはいへ、いい本が見つかりました。

 

今日の讀書・・芭蕉の『おくのほそ道』(素龍淸書本)、「市振」前後の數頁。それと、繼續して讀み進んでゐる、『和歌威德物語』(古典文庫)。これは、九・五割方讀める、易しさでは貴重なくづし字本です。ぼくが切り分けて分册にした全五冊のうち四冊目を進行中。これに比べたら、『おくのほそ道』(素龍淸書本)のはうは、數倍むづかしいくづし字です。

 

今日の寫眞・・ホテル棟の朝のバイキング會場。そして、ほんのわづか顔を覗かせた富士山。三枚目は、日本習字普及協会の書論双書(左)と羣書類從(右)の「夜鶴庭訓抄」冒頭。四枚目は、『おくのほそ道』(素龍淸書本)の「市振」冒頭(左)と、『和歌威德物語』(古典文庫)の「歌にて祿所領をたまふ事」の部分。

 



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