九月四日(金)癸未(舊七月廿二日 曇りのち晴、一時雨

 

今日は、妻に誘はれて、上野の藝大美術館で開催されてゐる、《うらめしや~、冥途のみやげ展》を見に行きました。〈全生庵・三遊亭圓朝 幽霊画コレクションを中心に〉といふ、まるで論文のやうな副題がついた展覽會でした。幽靈や怨靈にはすこぶる關心があるので實に興味深くかつ面白く見てきました。

その谷中の全生庵といへば、山岡鐵舟が創建したお寺で、ご自身の墓地もありますが、さういえば三遊亭圓朝のお墓もありましたつけね。史策會の散策で訪ねたことがありました。その全生庵に、三遊亭圓朝ゆかりの幽靈畫が五十幅も所藏されてゐて、このコレクションの展示が中心のやうでありました。

「幽霊には、妖怪と違い、もともと人間でありながら成仏できずに現世に現れるという特徴があります。この展覧会では幽霊画に見られる『怨念』や『心残り』といった人間の底知れぬ感情に注目し、さらに錦絵や近代日本画、能面などに「うらみ」の表現を探っていきます。」 

これは、買ひ求めてきた圖録の「ごあいさつ」の中の一節ですが、たしかに、いはゆる幽靈だけでなく、政治的に恨みをもつて死んでいつた歴史上の人物を題材にした、「錦絵による 〈うらみ〉 の系譜」も實にリアルでした。

ついでに、開催中の藝大の文化祭を見て回り、上野驛で一緒に食事をしてからは、別行動。ぼくは神田古書會館の古書展に直行いたしました。

 

今日の寫眞・・東京藝術大學にて。特大ポスター。髙村光雲胸像。レンガ造りの敎室か研究室でせうか、入口に狛犬が鎮座ましましてをりました。それと、東博前廣場での仮装行列ではない、變はり御輿の競演! さいごは、今日の収穫の二册。 

また、おまけとして、一昨日京都の三條大橋に到着した、「中仙道を歩く」第一陣の記念寫眞です。送つていただいたので紹介いたします。

 




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