正月六日(火)壬午(舊十一月十六日・小寒 晴のち雨、のちやむ、風が強い

 

今日は天氣も良くないし、明日にせまつた、「石橋山古戰場を歩く」の準備のために、讀書に集中しました。基本史料は、『吾妻鏡』と『源平盛衰記』です。必要なところを讀みはじめましたが、間に合ふかどうか?

 

ぼくの讀書(五)・・小山田和夫著『入門 史料を読む 古代・中世』(吉川弘文館・二〇〇九年八月三十日讀了)。八月十九日に買ひ求めて三十日に讀み終へてゐますから、この手の本にしては、一氣に讀んだ部類に入るでせう。

還暦を過ぎて、參考書からではなく、直接原典を讀もうと決心した頃です。「讀書記録」を見ると、この二〇〇九年には、保元、平治、平家、承久記、義經記、曾我物語、そして日本霊異記、將門記、さらに志を高くして、いつその事最初からと決心して、日本書紀を讀み終へ、續日本紀を讀みはじめた年でした。もちろん原文ですから、日本霊異記と將門記と日本書紀以下は漢文(變體漢文)です。四苦八苦して讀んだことが思ひ起こされます。

この小山田さんの『入門 史料を読む』に出會つたのは、このやうな時でした。忘れもしない、藤澤のジュンク堂書店でした。南伊豆在住のころ、東京に出てきたときには、あちこちの本屋を渡り歩いてゐました。ほとんどが古本屋なんですが、ジュンク堂書店には歴史書が多く、たまたま訪ねたときに目に入つたのでした。

頁をめくつたとたん、ゾクゾクときました。〈「史料を読む」を読む前に〉の章では、漢文の基礎的知識がいかに必要か、その讀むべき參考書が何册も紹介されてゐました。必要な辭典類についても、そして、次章の〈古文書を読む〉では、正確に讀むことと解釋すること、また、獨習するための知識も授けてくれました。その時ぼくが一番必要としてゐたことを敎へてくれた本でした。ペーパーバックなのに二千圓もしましたが、これこそぼくにとつて、古典獨學の教科書でした。

『吾妻鏡』や『源平盛衰記』などを、恐れなくても手に取れるやうになつたのは、この書のおかげだと言つていいでせう。

また、魚返善雄著『漢文入門』(現代教養文庫)は、すでに讀んでゐた本ですが、この『入門 史料を読む』で紹介されてゐたのには自信がつきました。魚返さんは、『論語』の譯も出してゐて、ちょくちょくお世話になつてゐます。

それと、文庫本の『吾妻鏡』(日本古典全集)の、賴朝旗擧げして、目代山木兼隆屋敷を襲ふ、治承四年八月十七日の條(左頁)。この文庫本は持ち歩くのにいいので、明日も持つて行くつもりです。

 


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