十月廿日(月)甲子(舊九月廿七日) 晴れのち曇り、夕方小雨
けふは、昨日につづいて、明日からの旅の豫習に専念しました。今回もまた中身が濃さうです。それに、最後の難關と呼ばれる鳥居峠は、案の定、碓氷峠と和田峠に次ぐ難所のやうなんです。雨にでもなつたら、滑るだらうかな、とか、ちよいと心配になつてきました。
午後、意を決して弓道場へ行きました。久しぶりでしたが、先生はじめ、ご同輩お二人と樂しくお稽古できました。的中率は、いつもと變はりませんでした。
今日の「一休獨吟」、最終回です。
「つくりおく罪の須弥ほどあるならば ゑんまの帳につけどころなし」
「雨あられ雪や氷とへだつらん とくれバおなじたに川の水」
「悟り得て心のやみのはれぬれバ ぢひも情もありあけの月」
「傾城ハぐぜいの船のわたし守 死にゆく人をのせぬ日ハなし」
「元の身ハもとの所へかへるべし いらぬ佛をたづねばしすな」
「夜もすがら仏の道をたづぬれば わがこころにぞたづねいりける」
「國いづくさとハいかにと人とはば 本來無爲の者とこたへよ」
一つ補足します。八回目の、「さつま芋燒ようづめよ灰の中」を埋め忘れました。
これで一册讀みあげました。一休さんのお言葉、児女たちにもわかつたのでせうか。
いやあ、一應すべて讀めましたね。「くづし字」本でしたから、□を覺悟してゐたんですが、この一年半の努力が報はれたやうで、とてもうれしいです。自信もつきました。ただ、上段の細かい字の部分は、後日讀むことにして、つづいて、少し讀みづらい、『道外百人一首』といふのを用意しました。これは、いはゆる「百人一首」のパロディーといつたらいいでせうか。ついでに、元の歌も出して、できるならば、その歌それぞれの歴史にも觸れたいと考へてゐます。ですから、毎日といふわけにはいかないでせうが、いや、これはぼく自身のお勉強ですから、興味があつたら覗いてみてくださいませ。ではお樂しみに。
今日の寫眞:『道外百人一首』と『画入 尊圓百人一首』。