五月廿九日(木)庚子(旧五月朔日・朔) 薄曇り、やや蒸し暑い

やはり疲れました。かといつて、寝てゐては疑はれるので、一応昨日の写真の整理をし、さらに、「中仙道を歩く十四」にかかりはじめました。でも昨日の印象が強いので、もう少し時間をおいて書きはじめたはうがいいやうに思ひました。

 

井伏鱒二の『珍品堂主人』を読みだしました。動機は、以前からの宿題だつたからでもありますが、字舊假名本だつたからでもあります。内容は、読みはじめてすぐ、小林秀雄の『眞贋』を思ひました。ぼくも骨董に興味がないわけではありませんが・・。「ただ買つたといふので何となく得意なのである。さういふ何の根もないうかうかした喜びは云々」(眞贋)と、その心持ちを語つてゐます。それでゐて、「信頼してゐる友人にニセ物だと言はれた以上、持つてゐる事が不可能である」、それで売り買ひを楽しんでゐる、骨董趣味とはさういふものであるやうです。

 

今日の写真:ラムの散歩の様子。