三月十一日(火)壬辰(旧三月十一日) 晴れ、北風強く寒い 

今日は、三・一一、《東日本大震災》を忘れてはならない日であります。

昨日、森さんに出した便りに、「石巻市の大川小学校の惨劇には、今なほ胸が押しつぶされる思ひです」と書きました。この惨事については、とても多く語られてゐますが、ぼくも気づいた範囲ですが、記しておきたいと思ひます。

そもそも、津波に苦しめられてきた三陸地方には、「津波てんでこ」といふ、津波がきたら自分の責任で早く高台に逃げろといふ意味の言ひ伝へがあるさうです。これ以上の防災教育はないとぼくも思ひます。

しかし、今回の大川小学校の大惨事は、その教育機関である学校といふところが足枷(あしかせ)となつたのです。たしかに、他の小中学校では、担任教師が「逃げろ!」と叫んで、高台に向かつて難をまぬかれた子どもたちが大勢ゐましたし、また、釜石市内の小中学校では、指示されなくても、とにかく早く、自分の判断でできるだけ高い所へ逃げるやうに指導してきたといはれてゐます。

それに対して、この大川小学校のの対応はどうでせう。とにかく、五十分もの間、何も行動しなかつたのです。定められた避難場所に行くにしても、十分な時間があつたはづなんです。それで、生徒が高台に逃げようとしたら教師が止めたといふ報告もあります。逃げるなら全員で、足並みそろえて、規程に準じてといふ、生真面目さが悲劇を呼び込んだとしか思へません。それにしても、校長はじめ教師たちは「津波てんでこ」を知つてゐたんでせうか。

はたまた、教師たちも、五十分の間、その心はどこに向いてゐたのでせう。校長の顔色をうかがひ、他の教師の動向を気にしての優柔不断の五十分だとしたら許せるものではありません。官僚的といふ言葉がありますが、それは、いかに責任を逃れてうまく立ち回れるかといふことと同義です。後で自分が問はれないやうに行動したいと思つてゐたとしか考へられません。

大川小学校の惨劇は、子どもたちの判断や自由意思を許さない学校教育の現場の雰囲気といふものを思はしめられます。他の多くの学校はどうなんでせう。規則は人を生かすためにあるのであつて、規則のために人があるのではないといふ言葉を、今日は改めて噛みしめました。 

その規則(?)に縛られてでもゐるんでせうか、尊い義援金などの復興資金はいつたいどこでどう使はれてゐるんでせうか。直接に関係のない事業に使はれてゐるといふ話も聞きます。または、官僚組織の中に吸収されてゐる金額もバカにならないと聞きます。いつたいに、この国の施政者は何を考へてゐるんでせうか。

「絆」だ、「ふれあひ」だと言つて涙を流してゐる場合なんでせうか! マスコミも、お涙ちょうだい的な災害現場を取材してばかりゐないで、政府の、復興庁のしごとをしつかりと見張る事、少なくとも、ここにはまだ、「秘密法」の暗い影は落ちてゐないと思ふんです!

福島原発だつて、メルトダウンした燃料そのものは回収の目処(めど)さへたつてゐないのです。地中で蠢いてゐるんですよ! こんな恐ろしいことはないんです! 汚染水をどころではないでせう。ましてや、他の原発を動かすなんて狂気の沙汰としか言ひやうがありません。

とても熱くなつてしまつた一日でした。

 

今日の写真:ベランダに来て、幸せさうに眠る野良猫。寅(とら)と勝手に呼ぶことにしました。


 

三月「いくいく会」「仙道会」各位  二〇一四年三月十一日

おはようございます。三月といふのに寒い毎日が続いてゐます。みなさま、いかがお過ごしでせうか。

つきましては、ここで提案があります。「いくいく会」と「仙道会」の合同歴史散策会がはじまつてまだ間がないといふのに、大胆な提案をさせていただきたいと思ふのであります。いつまでも「合同云々会」はやめにしまして、飛躍しなければなりません! はい。

そこで、あらかじめ、森さんとは、密談ではありませんが、ちよいと相談しました。其名も、「歴史散策会」、略して「史策会」。いかがでせうか。 

決して無理のない計画をと肝に銘じてゐますが、内容は、各自が、自分の住ひの近辺の歴史を紹介、案内をするといふものです。ただ、こんな場所があるよくらゐでもいいと思ふのです。或は、近所でなくても、案内できるとこならどこでもいいと思ひます。さすれば、見聞の幅も深さも増すのではないでせうか。もちろん、無理に担当させるなんてことは決してしないといふことにしてね・・。ただ、森さんのやうに、手持ちの材料と経験が豊富な方には、是非ともご披露していただかなくてはなりませんが・・! 小生は、とりあへず、柴又とか、青砥にある「葛西城跡」とか、古代東海道の道標であつた「立石」、あ、さう、ぼくの家から歩いても行ける「葛飾区郷土と天文の博物館」などもいいですね! みなさんのご近所にも一つや二つは見つけられると思ふのですが・・? 

以上、いかがでせうか。四月四日の「~築地界隈の散策~」の際に、話し合つて決めたいと思ひますが、ここまでの提案、よろしいでせうか。では、みなさま、ご検討をよろしくお願ひいたします。ひげ