三月三日(月)癸酉(旧二月三日) 曇りのち晴れ 

いやあ、面白い。昨晩も夜更ししてしまひました。『出星前夜』です。これがただの時代小説ならば面白いですませられるのでせうが、実際に起こつた歴史を題材にしてゐるところが、気持ちを複雑にします。それにしてもワクワクしてしまひます。

それで、午前中、さらに読み続けやうとしましたが、妻が、ラムを病院へつれて行かうといふのです。かういふときは、素直に聞くのが一番。仕方なしに、ではない、快く承諾し、自動車に乗せて“りお動物病院”へつれていきました。幸ひにすぐ診ていただけましたので、この三、四日の様子を伝へ、そして血液を検査していただきました。すると、肝臓の値があまりにも異常で、何か農薬や除草剤のやうな劇物を口にしたのではないかといふことなのです。とても驚いてしまひましたが、老化が進んだのではないかと、はんぶんあきらめかけてゐたので、その点は安心しました。けれど、心当たりはありません。しばらくは通院するやうにと言はれ、とりあへず、点滴注射をしていただいて帰つてきました。  

帰宅するや否や、弓道場へでかけました。久しぶりに齋藤さんとご一緒できました。また、中辻先生からは、懇切な指導をいただき、的中率もいつもよりちよびつと上がりました。齋藤さんもぼくも、病をかかへてゐるといふのに、弓道だからこそ出来ることに感謝しながら帰路につきました。

帰宅するや否や、妻が近づいてきて、「もしかしたら、お向ひさんの、外壁工事の際の薬剤が原因ではないの?」と、何のことかと一瞬思ひましたが、さう、ラムのことです。さういへば、薬液がこぼれたのが、先日からの小雨で流れだし、そこを知らずに歩いた足を舐めたのではないか、と二人で推測しました。

この町会では、暖かくなると、月に一度、町内の家の垣根や植木などに殺虫剤を散布するんです。昔、子どもの頃、アメリカヒロシトリといふ毛虫が大発生して、嫌な思ひをしたことがあるので、そのやうな虫を駆除するためだつたらと思つてがまんしてゐますが、ラムのためには怖いと思つてゐました。犬や猫を飼つてゐる方で、止めてもらひたいと直に伝へた方もゐたと聞きます。確かに、足の裏についた薬剤などは怖いので、恐れのある場合には、よく拭いて家にあげてゐるんですけどね。それよりやぶ蚊の退治をしてほしいと、ぼくなんかは思つてしまひます。

さういへば、伊豆の生活においても、初夏に二、三回、大家さんがみかん畑に農薬を散布してゐました。出荷できる品質のものを作るためのは必要なんでせうけれど、いつもいい気持はしませんでした。なんだか、日本全土で、農薬を使はないと作物ができないやうなことを洗脳されてゐるんではないかと思ひます!

 

今日の写真:“りお動物病院”にてと、帰宅後、爆睡してゐるラム。