三月二日(日)壬申(旧二月二日) 小雨

夕べは夜更かししてしまひました。いへ、明け方まで寝られなかつたんです。『出星前夜』があまりにも面白かつたからです。内容は重いものなんですが、子どもたちが、腑抜けた大人たちに見切りをつけて、役人に立ち向かう場面なんて、まるで冒険小説です。昔読んだ、『十五少年漂流記』なんぞを思ひ出してしまひました。それで、日中もうつらうつらしながら読み進みましたが、まだ半分。読むのが遅いもので、じれつたくなります。

『徳川實記』では、島原の民が蜂起したのは、あくまでも、「(天主教)宗門再興」のために「天より降せし神童」が、「愚民を誘引」したからだと記してゐます。「天草、島原の一揆等都合一万二千餘人、四郎を惣大将と推奉し」、「これに惑ひ従ふもの日々月々に数そひたり。遂に近郡の村里を煽動して徒党少からずと聞こゆ」とあります。

それはそれなりに一貫した記述にはなつてゐます。大切なことは、しかし、このやうな「大本営発表」のやうな一方的な発表に惑はされずに、事の真実をいかに捉へるかだと思ひます。その点で、『出星前夜』は成功してゐるのではないかと思ひますが、まだ途中です。後半、はたしてどのやうな展開が待つてゐるのでせうか。乞ふご期待といつたところです。

 

今日のラム:朝の散歩はいつもとかはらず。朝の食事も、少し柔らかめにして、量も減らしたので完食。にもかかはらず、夕方の食事は口にせず。日中はあひかはらず死んだやうに寝てゐる。夜の散歩では、忍耐強く待つたけれどもオシッコせず。ところが、帰宅するや否やふとんの上でお漏らし!

 

今日の写真:飯島和一著『出星前夜』表紙。