二月廿日(木)壬戌(旧正月廿一日) 晴れのち曇り      

朝、メールを開くと、服部さんからお便りが届いてゐました。昨晩、パワーポイント版の『中仙道を歩く十二』を送るときに、付けたりに、「しばらく、小説を読んでゐなかつたので、読みたいのですが、お勧めがあつたらお教へくださいませ。よろしく。」と書いた、その返信です。さすが、服部さん、いまだ健在です。五冊の本を紹介してくださいました。

ぼくは、はじめ、明治学院に入つたんです。一九六六年の事ですから、四十八年前ですが、そこで、服部さんと出会ひ、それからどれだけ多くの本を紹介され、勧められたことでせうか。文学、思想、宗教、芸術、それに音楽の多くの本を勧められ、また勧められるままによく読んだんです。まつたく知らない未知の世界に分け入る感じで、毎日、何冊も併読して読み進みました。一九六七年には一八四冊読みました。二〇〇七年に一九九冊読むまで、一年間に読んだその記録は破れませんでしたからね。

ぼくの偉いところは、なんて自分で言つてしまひますが、勧められたら、「はい!」と言つて読んだことです。今だつてさうです。弓道で、先生が指導してくださると、「はい!」と応へて、その通りに引くと的中なんですね。人の注意や忠告は素直に聞くものです。はい。

 ところで、ぼくは、「日記」と同じく、「読書記録」もつけてゐて、一九六六年一月からすべて記録してあるのです。明学時代は、五年過ごしましたが、その五年間で、六六六冊読んでゐます。ちなみに、続く青学時代は、二年間で九〇冊。関学時代も二年間で七〇冊。この四年間、わりと少ないのは、勉強することに集中してゐたからだと思ひます。学術書は、すらつとは読めないんです。さらに、清水時代の六年間では、四五六冊。浜岡時代の五年間で、二六九冊。横浜時代の八年間で、三七〇冊。この浜岡と横浜も仕事であまり余裕がありませんでした。そして、南伊豆の山暮しでは、一七年間、二〇一〇年の三月末までで、一九八八冊でした(年平均すると、一一七冊)。さらに、東京へ戻つてから数へれば、昨日までのおよそ四年間で、四八一冊ですから、合計すると、四三九〇冊になります。約五十年間で、たつた四千四百冊しか読めないんですね! (もちろん、子どものときから高校時代までに読んだものを加へれば、もう少し増えるでせう!なにせ記録はなく、記憶も確かではありません。)

どんな著者の、どんな種類の本を読んだかを分類すると面白いと思ひますが、宿題にしたいと思ひます。それにしても、読書の面白さ、素晴らしさを教へてもらつたのは、明学時代の服部さんからのお勧めと励ましです。感謝しても感謝しきれません。それなのに、また、といふか、いまだに勧めてくださるのです。有難いですね。以下、そのお勧め内容です。

 

面白い小説といわれても、、、、、??? お気に召すかどうか、、、

①辻原  登著「許されざる者上下」(集英社文庫)

飯嶋和一著「始祖鳥記」(小学館文庫)

  同    「雷電本紀」(同)

  同    「出星前夜」(同)*天草の乱を一揆の視点から書いた絶対のおすすめ本です。
⑤北方謙三著「杖下に死す」(文集文庫)*大塩平八郎の乱を取り上げた力作の二冊です。
⑥  同    「独り群せず」(同)

面白くなかったらごめんなさい。           服部

 

どうです、読まないわけにはいかないでせう。ぼくは、早速図書館で借りましたよ!

今日の写真・・服部さんとの思ひ出。無断で載せてすみません。