正月廿七日(月)戊戌(旧十二月廿七日) 快晴、寒風身にしむ 

昨夜は、はじめてラムとベッドを一つにし、体をよせあつて寝ました。ところが、明け方、四時半頃、いきなりラムの息づかいが激しくなり、ぼくは目覚めたとたん、もうだめかと思ひました。できるだけ柔らかに体を抱きしめて、さすつてあげました。どのくらいたつたでせうか、やつと落ち着いてきたので、ぼくも緊張を解くことができました。

それからは寝入ることもできず、寝顔を見てすごしました。歳をとつても、こんなに可愛いものとは思つてもゐませんでした。そつと、カメラを向けて、何枚か撮つてあげました。叔母や父のときには流さなかつた涙も、ラムには、今から流してしまひます。

ところが、朝と午後と夜の散歩はいつもと同じやうに行くことができたのです。きつと、波があるんだらうなと思ひます。ただ、苦しませたくはないなと思つてゐます。

 

また、今朝は定例の歯科医院へ通院しました。いつものやうにクリーニングなんですが、よく手入れされてますねとほめられました。いや、それは現状に関してであつて、思ひ返せば惨憺たる過去があるのであります。もつと早く気づいて、今日のやうな手入れをしておけばよかつたと、悔いても悔い足りません。

そこで、先生に、今何本自分の歯があるのか、恐る恐る聞いてみました。すると、「九本です。かぶせた歯が十三本、計二十二、リミットはあと二本ですね」と言ふのであります。リミットといふのは、きつと、八十歳にして二十本といふ、あのスローガンのことだと思ふのですが、こりやあダメだなと思はざるを得ませんでした。ぼくは、歯を強く噛みしめる癖があるやうで、それが歯周病の原因になつたりするのださうです。ぼくは、すかさず、「いや、先生。歯をくひしばるやうな生活なんです」と言つたら、先生、うなづいてゐました!

 

 『方丈記』を読み終へたといつても、このままおさらばして、『野ざらし紀行』に移つてはもつたいないので、今日は、はじめから出てきた漢字のくづし文字を書き出してみました。繰り返し出てきた文字もあれば、一度きりしか使はれなかつた固有名詞のやうな漢字もありますが、筆ペンで、暗記帳のやうなノートに、できれば覚えてしまはうと気を入れながら書いてみました。覚えるといつても、慣れるしかありません。ああ、この形(!)は何々だなと、すーつと身につけてしまふことがコツのやうに思ひます。

 さて、何字あるんだらうと書きつつも、途中で時間切れ。「方丈記単語帳」として、ぜひとも完成させたいと思ひます。

 

今日の写真:明け方、ふとんの中のラムと、散歩中、がくつときた様子。