十二月一日(日) 晴れ 

朝、七時に起床し、散歩に出かけるために、愛犬ラムを抱いて二階からの階段を降しました。

もう十六歳、いや十七歳になるかも知れないのです。捨てられて、拾はれたところをもらい受けて飼ひはじめ、一から勉強、『犬と山暮らし』を手本として、リードなしで生活し始めたのです。猿や狸を追ひまはし、猪には牙で腿をえぐられ、それでもモグラを玩具とし、家のまはりのトカゲは身体障碍者に、狩猟本能全開の日々でした。もちろん、それは、十数年にわたる伊豆の山暮らしだつたからできたものの、現在帰つてきてゐる東京の家にゐたのでは、さうはできなかつたらう。いまでは、夢の中でケモノを追ひかけてゐる。そんな我が子のやうなラムも、たうとう階段が下りられなくなつてひさしいのです。

午前中は、横になつて古文書の教科書をお勉強。 昼からは、「中仙道を歩く十 付録 高崎宿」作成のために、先日(十一月二十七日)、母と訪ねた少林山達磨寺とその洗心亭、八幡宮、それに高崎城跡の内村鑑三について調べました。洗心亭と八幡宮については書き終へましたが、内村鑑三先生は手強いのです。本日はここまでとします。

寝床に入つてからは、くづし字の勉強をかねて、古典文庫の『撰集鈔』を読み続けてゐます。数ページのときもあれば、二、三行で寝入るときもあります。焦らずに息長く続けること。この心構へで、すでに『竹取物語』、『伊勢物語』、『平仲物語』を読んでこられたことに自信をもつやうにしたいです。・・。

 

今日の写真:モグラを捕へて悦に入つてゐるラム(二〇〇四年十一月五日)